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2019-08-19

【チアリーダーカード Special Issue(前編)】ファイターズガールの「妹」がリーダーになった日

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毎年恒例のチアリーダーカード「BBMプロ野球チアリーダーカード2019 DANCING HEROINE」が、前編の「華」、後編の「舞」とも大好評発売中だ。これを記念してお届けするのが、彼女たちにまつわる小さな物語。

畠山茉央さんの悩みと成長

 チアリーダーカードはおかげさまで9年目を迎えて、その人気はとどまることを知りません。今年も9チーム、総勢178人もの皆さんにご登場いただきました。

 すでにフルコンプリートを達成した方も多いと思いますが、まだまだ楽しんでいただきたくて、彼女たちにまつわるお話をお届けしたいと思います。

 主人公は、北海道日本ハムファイターズ「ファイターズガール」の二人。ダブルリーダーとして仲間を引っ張る畠山茉央さん、そして小林羽蘭さんの思いを2回に分けてお送りします。まずは、畠山さんの愛情が詰まった前編から。(文中敬称略)

19BBMチア/舞28 畠山茉央

〈妹〉から〈姉〉にならなければ

 畠山茉央(はたけやま・まお)がファイターズガールの一員として活動を始めたのは、2015年のことだった。

 どうしてもなりたくてなりたくて、なりたくてしょうがなかったファイターズガールに、私、なったんだ!

「全球団のチアのみなさんの中でも、最年少での合格だったんです。あのときのファイターズガールは34人体制。一緒に入った羽蘭(小林羽蘭=こばやし・うらん)以外の32人のみなさんがすべて〈お姉ちゃん〉でした。私、一人っ子なのですごくうれしかったんです」

 このことが、畠山の意識に大きな影響を及ぼした。「妹キャラ」の確立である。目がくりくりっとした、最年少のかわいらしい〈みんなの妹・マオ〉−−。

 1年目、2年目は「お姉ちゃん」たちを仰ぎ見ながら、とにかく一生懸命だった。それが認められて、3年目になるとビジターでの遠征メンバーに選ばれるようになったり、オールスターゲームを彩る一員としてスタジアムで舞ったりした。「妹」は自身の成長を実感していた。

 転機は4年目、2018年だった。

「羽蘭とダブルリーダーに選んでもらいました。でも、〈みんなの妹〉とか〈最年少〉というイメージがなかなか外れませんでした。その前の年から感じていたことではありましたが、ファンの方からご覧になってもそうだったでしょうし、何よりも自分自身がそうでした。甘えてしまっていたんです」

〈妹〉から〈姉〉へと進まなければならない。畠山は自分と向き合っていた。

「本を買いました。リーダーとは、がテーマの本です。本当に〈妹〉のままではまずい、と思ったんです。しっかりしないといけない、と」

 悩んだ。だが、畠山は一人ではなかった。〈姉〉への道筋を示してくれた仲間がいた。

 その一人が、渡部穂乃香だ。畠山が3年目の2017年に、最年少メンバーとしてファイターズガールの一員になった。

「まだまだ、ではありますけど、私が〈妹〉から〈お姉さん〉になることができたかもな、と思えたのは、穂乃香のおかげなんです。最年少で入ってきて、私のことを頼ってきてくれて、だから〈姉〉になることができた。穂乃香が私を変えてくれました」

(普段はそんな感謝の気持ちをなかなか伝えられないかもしれない。おせっかいだが、このインタビューの言葉をそのまま渡部に伝えてみた。渡部は大きな目から、ただただ涙をこぼした。ファイターズガールで培われてきた大切なものが、彼女の心にしっかりと受け継がれた瞬間を見た気がした)

 畠山を支えたもう一人は、同期の小林羽蘭である。

畠山茉央さんの過去のカード。上写真がおもて面で下写真がうら面。
それぞれ上段左から2015年、2016年、2017年、2018年のもの。
下段は2017年のファイターズエンタメカードセットのもの

ラブリー&クールビューティー

「羽蘭がいなかったら、ここまでのすべてを乗り越えられませんでした。羽蘭はファイターズガールのアカデミー出身で、その実力は入ったときから圧倒的でした。最初は羽蘭と同じスタートラインに立つのが目標だったし、いや、それ以前に、私が羽蘭の足を引っ張ってはいけないと、ずっと思っていました」

 畠山は技量の差を目の当たりにして、劣等感のようなものを抱いていたのだろうか。自分にないものをすべて持っているパーフェクトガール。もしかしたら畠山にとっては、小林までもが「お姉ちゃん」だったのかもしれない。

「羽蘭はキャラも性格も見た目も、私とは真逆なんですよ。だから、不仲説を立てられたぐらいで(笑)。例えば、私はかわいいもの、ラブリー系が好きだけど、羽蘭はビジュアルからしてまずクールビューティー。衣装の着こなしからして違います」

 畠山は「動」と「静」と表現して、二人の違いを強調した。

「落ち着きがなくて周囲に目を向けられない私と違って、羽蘭はみんなのことを客観的に見ることができて、みんなの心を和らげてくれるタイプです。どっちもぐいぐいと前に出るタイプではないけれど、私が〈動〉で、羽蘭が〈静〉ですね」

 正反対であっても、ずっと一緒に泣いて笑ってきた仲だ。胸を張れる共通点がある。

「いろいろと違う二人ですけど、ファイターズガールへの考え方はまったく同じです。そしてそれは、どちらも一度もブレたことはありません。私たちのパフォーマンスを見てくれたお客さんに喜んでいただく。だから羽蘭とは、いま1年目の自分たちに会ったら、甘えてばっかりだったから一発殴ってやりたいよねって話しているんです(笑)」

 出会った頃の二人が誓い合ったのは「5年は続けられるように頑張ろう」だった。その頃に憧れていた〈お姉さん〉は4年目だった。その彼女を超えたい、という一心からだったのだ。

 もう一つ、「いつか二人でリーダーになって、ファイターズガールを引っ張っていこう」とも。

 畠山茉央と小林羽蘭。ともに今年、5年目を迎えた。そして、ダブルリーダーである。

(つづく)

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