2028年ロサンゼルス五輪で、野球・ソフトボールが追加競技として選出されたことを受け、日本ソフトボール協会の三宅豊会長がコメントを発表した。
「東京オリンピック金メダルの瞬間での震えるような感動が今再び胸の中によみがえっています。当協会と国際競技団体の WBSC は、10月21日から東京オリンピックのレガシー継承と若者世代の競技普及発展を目的として、東京で女子U15ワールドカップを開催しますが、そういった年代も含め、選手たちにとって大きな夢が膨らんだ事と思います。日本ソフトボール協会としても、2028年ロサンゼルスオリンピックに向けて、 北京、東京に次ぐ連続金メダルを目指し強化を進めてまいります」
ソフトボールは正式競技となった1996年アトランタ五輪では4位で惜しくもメダルを逃したが、2000年シドニー五輪で銀メダル、04年アテネ五輪で銅メダルを獲得。08年北京五輪では、悲願の金メダルに輝いた。
しかし、世界的な普及度の低さなどを理由に、12年ロンドン五輪、16年リオデジャネイロ五輪では実施されなかった。08年北京五輪から13年の時を経て(新型コロナウィルスの世界的流行の影響で1年延期)、自国開催となった21年東京五輪では追加種目として採用され、宇津木麗華監督の下で13年越しの連覇を達成した。
アテネ、北京、東京と3度の五輪に出場し、北京、東京では金メダル獲得に大きく貢献した上野由岐子は復帰が決まったことを受け、「これまで五輪復帰に携わって頂いた全ての方々へ感謝の気持ちで一杯です。この素晴らしい快挙は、未来の子供達への夢、また、現在様々な困難に直面している世界中の人々の勇気と希望へ繋がっていければとの思いでこれからも精一杯精進してまいります」と、所属するビックカメラ高崎ビークイーンを通じて喜びのコメントを発表した。
28年ロス五輪に向けて
女子U15日本代表が出場する『第1回WBSC女子U15ワールドカップ』は、10月21日(土)から29日(日)の日程で、東京の駒沢オリンピック公園総合運動場硬式野球場、大田スタジアム、世田谷区総合運動場野球場を会場に開催が予定されている。
また、日本の女子トップ選手たちがしのぎを削る『JDリーグ』も現在、熱い戦いを繰り広げている。現在西地区の1位を走るトヨタレッドテリアーズに所属する、後藤希友(東京五輪代表、2023アジア大会代表)、切石結女(2023年アジア大会代表)は17日に取材に応じ、記者からオリンピックについて問われ、次のように答えた。
「まずはメンバーに選ばれることを目標に頑張りたい。5年後はチームを引っ張る存在で、北京オリンピックのときの上野(由岐子)さんと同じくらいの年齢。役割を果たせるようになりたい。チームの主軸を張れるように、今からしっかり練習していきたい」(後藤希友)
「東京2020はただただ純粋に応援のみ。しかし、終わってから後藤から日本を代表することのプレッシャーの話を聞いた。オリンピックを経験できる人は一握り、そこを目指したいと当時思った。身近に経験者がいるから、話を聞いてこれからの成長につなげていきたい」(切石結女)
2大会ぶりの五輪復帰。現役のJDリーガーやジュニア世代にとっては、明確な目標ができたことになる。女子日本代表は今夏、ワールドカップグループステージのグループCで東京五輪3位のカナダを破り、来年7月にイタリアで行われる決勝大会の出場権を獲得。まずは、ワールドカップでの優勝を目標に据えながら、選手の育成・強化を図り、28年ロサンゼルス五輪の後に行われる32年ブリスベン(オーストラリア)五輪での採用を目指して、普及活動にも取り組んでいく。