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2019-02-12

「インサート大好き星人」、絶好調!今回もとにかくしゃべり倒します!!!

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 ご意見番・佐伯篤氏、カリスマ・田村亮一氏、毒舌キャラ(?)のミント立川店・高橋高弥店長による大放談第3弾へようこそ!

 今日もますます熱くなるトークバトルをお届けします。今回は、毎回田村店長の語りが止まらなくなるインサートカード部門をじっくりどうぞ!

【参加ディーラー】(敬称略)
佐伯 篤(SAトレーディング/写真右)
田村亮一(ミント神田店/写真中)
高橋高弥(ミント立川店/写真左)

☆インサートカード部門☆

佐伯 続いて【インサートカード部門】になります。

田村 ここも激戦になるんじゃないですか。インサートに関して、高橋君は何か言いたいことはありますか?

高橋 いくつか候補を考えてきたんですけど、まずは巨人のチーム別カードに入った「CROSS FOIL SINING」です。これは2017年も大人気で、前回の座談会でもインサート部門の1位に選ばれていました。同じく巨人カードの「GIANTS PRIDE」は普通のインサートなんですけど、今回も非常にデザインがよくて、ミントの店長の間でも好評を博しました。あと、「1stバージョン」の「3D CROSS UNIVERSE」は、宇宙空間をモチーフにしたデザインが3Dとうまくマッチしていたと思います。「2ndバージョン」に入っていた「Real Deal」もホロのパラレル版がすごくきれいで、選手の写真は小さめで、その上の方に球場の写真が入っているんですけど、パッと見た時にきれいなカードだなという印象を受けました。

田村 「Real Deal」はスター選手とフランチャイズ球場がセットになっているという組み合わせがよかったですよね。私もあのカードはすごくいいと思いました。

高橋 それ以外では「FUSION」に入っていた「GREAT RECORD」。これも普通のインサートなんですけど、キラキラ感が強くて、引き当てられたお客さんがシリアルの少ないパラレル版と勘違いしたくらいの豪華さがあって、とても好評でした。最後に個人的には中日チーム別カードの「Raise High」ですね。背景に龍があしらわれていて、かっこいい1枚だったと思います。この中で1位を決めるとすると、プライス的なところもあり、私は「3D CROSS UNIVERSE」でしょうか。

田村 私は話が長いので、佐伯さん、次お願いします(笑)

佐伯 最近のBBMは普通のインサートにも手を抜かずに作っていていますよね。前回の座談会でも話しましたけど、今はアメリカよりも日本のインサートの方がきちんとした作りになっていると思います。2018年も巨人カードのインサートは特によくて、3Dカードの「TRIPLEX」や「CROSS FOIL SINING」は人気も高くて、ほぼ見かけることがないという状態です。そんな中、あえて私はカルビーから紹介したいと思います。第2弾にラッキーカードが入っていまして、赤箔サインカード2枚と交換できたんです。そして、自由に選手を選べたんですよね。

田村 そこに松坂が入っていた!

佐伯 そう! それで松坂とか鈴木誠也とか上原浩治はみんな交換しているんですけど、果たしてバレンティンや坂口智隆がどれくらい交換されたのかということですよ。ものすごくレアだと思う。

田村 私は誠也と山岡泰輔を選びました。山岡は広島出身ということで(笑)。

佐伯 確かに松坂の赤箔サインは値段も高いんですけど、かなりの枚数が流通しているんですよね。そういうことを考えていたら、98年カルビーにあったCDケース入りカードもそうだったと気がついたんです。あのときも交換方式で、イチローとか松井秀喜はみんな持っているんですけど、一部の選手は本当に交換されてなくて、後で探してもなかなか見つけられなかったんですよね。それを久々に思い出しました。しかも2018年はラッキーカード自体がなかなか出なくて、かなりレアだったんですよね。すごく面白いシリーズで、同じインサートでも選手の人気によって枚数に大きな差が出ているのは、今後どう影響してくるかに興味があります。

あとは、DeNAのチーム別カードに「LEFT-HAND STARTERS」という4人の先発左腕を特集したインサートがあったんですけど、その中に4人が一緒に映っている写真があって、それがすごく面白かったです。身長差がちょうど階段みたいに順々に低くなっていて(笑)。これが本当に見事で、とても印象に残っています。

高橋 DeNAのチームの特色をよく出しているインサートでしたよね。

佐伯 それ以外では、根強い人気のある「PHANTOM」。でも、私が1位に推すのは「Glory」に入っていた3Dカードです。これが非常にいい。「PHANTOM」もよかったけど、「Glorious 3D」の方が評価は上ですね。

田村 なるほど。それでは、そろそろインサート大好き星人の私が話をしてもいいでしょうか(笑)。

佐伯 語り尽くして(笑)。

田村 2018年はBBMのチーム別カードに入っていた比較的出現率の高い普通のインサートでも作りがしっかりしているものも多くて、全体としてとてもよかったと思います。ですが、やはりここはハイエンドなレアインサートに焦点を当てていきたい。

まず、レアじゃないインサートから挙げていくと、巨人のチーム別は毎回インサートがかっこよくて、「GIANTS PRIDE」がいいのはもう当たり前になってきているんですけど、2018年は「My GENERATION」という若手選手のインサートがあったんです。渡辺美里を思い出します(笑)。特徴のある筆記体の文字をあしらって、選手がスプラッシュのような穴の中から出てくる感じで、言葉で説明するのは難しいんですけど、とてもいいデザインだったと思います。それが花火柄のパラレルになったりすると、かなり見栄えがするんですよね。

それから「1stバージョン」に入っていた「JAPONISM」ですね。このインサートは着眼点が面白くて、本来のジャポニズムの意味を分かっているカードファンがどれくらいいたのかは分からないですけど、そもそもの意味は、“ちょっと間違った日本観”なんですよね。19世紀のパリ万博の時にフランスで流行した浮世絵などの日本文化を西洋の絵画に取り入れて、日本らしさを表現する手法のことです。モネやゴッホにも大きな影響を与えて、西洋美術の一大センセーションになったんですけど、季節感の違うものが一緒なっていたり、日本人からすると、少し違和感がある。「1stバージョン」では、箔押しで桜吹雪が舞い、梅、松、波といった様々な和のモチーフが日本人のデザイナーらしく、きれいにまとまっていたと思います。

佐伯 和を意識して、和紙みたいな質感の紙を使っていましたよね。

田村 和紙ではなく、光沢のないマットな質感の紙でしたね。箔も引き立つし、効果的だったと思います。このインサートはこれからも継続していって、コンセプトを突き詰めていけば、面白いものに育っていく気がします。チーム別カードに12球団共通で入っていた「PHANTOM」は、根本的な作りが過去3年やってきた中で一番よかったと思います。背景に使われているホロ紙が縦に細かい柄を使用していて、ステンレスみたいに光るんです。

佐伯 そう、金属感がありましたよね。

田村 その中でも、私は「2ndバージョン」に入った「PHANTOM」が一番よかったと思います。通常のチームパックは枠が金色だったのですが、2ndではそれが紫に代わっていて、タイトルロゴも薄めの青で、夏らしい色づかいになっていました。それまでの重厚なイメージから一転して、爽やかな印象に変わった。

佐伯 インサートカードに爽やかさまで求めるとは(笑)。

田村 ポイントは、いかに既視感を外すかというところじゃないですかね。その意味で成功していたと思います。もちろん、「1stバージョン」の「3D CROSS UNIVERSE」も宇宙をモチーフとしたデザインと相まって、非常に出来がよかった。宇宙まで行ったら、次はどこに行くのかと心配になってきますが、とにかく1枚のカードとして非常にかっこよかったし、もうベストインサートはこれで鉄板かと思っていたんです。

そうしたら秋になってライバルが2枚出てきた。ひとつは「GENESIS」に入っていた3Dの「GAME CHANGER」。デザインとしては古くて、選手の表情とプレー写真を組み合わせた構図なんですけど、何がすごいかというと、ここ最近のBBMの3Dカードは選手自体が3Dで立体的に見えるんですよね。昔の3Dカードだと選手は平面に見えて、奥行きに背景、手前に文字があるというような立体構造だったんですけど、2016年に出た「Rising Sun」から選手自体が3Dになりました。それが、「GAME CHANGER」では選手が3Dなのはもちろん、デザインに前後の奥行きもある中で、その3Dの選手がなんとチェンジングして、写真が切り替わるんですよね。こんなことが技術的に可能なのかと、私は久々にビックリしました。

ありふれたデザインの中に、今までになかったテクノロジーが入っていたという意味で、スポーツカード史上において大変に意義深い1枚になったと思います。

佐伯 前回の座談会でもカードの技術について、熱く語っていましたよね(笑)。

田村 技術は大事ですよ。まず技術があって、それをいかにデザインに落とし込むか。インサートカードはやっぱりアイデアと仕様が大事で、それをうまく見せるのがデザインです。

佐伯 さすが、インサート星人!

田村 そして年末の「Glory」で、この2枚にも対抗できうる1枚として、箔を大胆に押し、全体的に黒くてデザインもかっこいい「Glorious 3D」が出てきた。これは大豊作ですねえ。3D以外にもっと頑張ってほしい気もしますけど、この3枚の中から1枚を選ぶとすれば、どれが来てもいいくらいです。

高橋 「広島3連覇」の3Dカードはいかがでしたか?

田村 あれもよかったですね。廉価版の割には非常によくできていて、1年目はサイズが大きい、2年目はカードサイズだけど裏面がない、3年目にして、初めてカードと呼べるものになりました。

佐伯 さすが3連覇(笑)。

田村 西川龍馬はこれが初の3Dカードで、チョイスもよかった。アイテムとしても完成度が高く、私は2018年のセットでは一番推しています。

佐伯 じゃあ、広島3連覇の3Dカードを1位にしますか? 

田村 え?!

高橋 田村さんがカープ関連で絶句するのは珍しいですね(笑)。

佐伯 3連覇だし、いいじゃない(笑)。3年間の進化を評価してあげましょうよ。

高橋 伸びしろということですか(笑)。

田村 いやいや、この部門はやはり技術的なものがあるといいいんですよ。たぶん、日本中のインサートマニアは「GAME CHANGER」が選ばれるべきだと思っているはずです。新しい構造として、それくらい衝撃的でした。ここからはどんな面白い方向に持っていけるか楽しみですし、この部門は私のごり押しで「GAME CHANGER」でお願いします。

佐伯 そこまで言うなら分かりました(笑)。

田村 今日はもうこれ以上話すことはありません(笑)。本当にBBMは頑張りましたよ。

佐伯 人気があるから意識して3Dを入れてきているんでしょうけど、確かにどれもレベルが高かったですよね。

田村 これは海外にもない、日本のカードの強みだと思います。

佐伯 昔はアッパーデックなどでもホログラムで選手が動くカードを作っていましたが、今の時代にこんなカードを作っているのは、たぶん世界中でBBMくらいでしょう。

田村 これは本当にその通りで、ここを大事にしてほしいです。一方で、いかに飽きさせないかというのも大事なので、3Dのやりすぎも注意してほしいですね。

佐伯 レアなインサートとしてちょっとずつ入れていくのがいいでしょうね。例えば「PHANTOM」で同じデザインを使った3Dの少枚数のパラレル版を作るとか、工夫しても面白いかもしれない。

田村 それはえげつない争奪戦になるでしょうね(笑)。

日本中のインサートマニアはこのカードが選ばれるべきだと思っている
(田村)

(つづく)

これまでの回はこちら

〈第1回〉

〈第2回〉

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