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2019-03-09

【3月9日は脈の日】危険な不整脈「心房細動」

3月9日~15日は心房細動(しんぼうさいどう)週間です

脈の乱れが気になることはありませんか?
3月9日は「脈の日」です。日本脳卒中協会と日本不整脈心電学会は、脈の日の3月9日から1週間を「心房細動週間」として、啓発活動を行っています。
今年の心房細動のテーマは「脳・心の病のもとだ乱れ脈」だそうです。

写真上:心房細動は不整脈の一種。その半数は自覚症状がない。 photo by pixta

心房細動は、心不全・脳梗塞を引き起こす

心房細動は、年をとると増えてくる不整脈の一種です。
不整脈には危険な不整脈と問題のない不整脈があります。
たまに脈が1拍とんだり、リズムが一瞬乱れたりしても、すぐに回復して一定のリズムに戻る場合には、誰でも普通に起こっている「期外収縮」という問題のない不整脈です。
一方、「心房細動」は、心房という部分が小刻みに震える不整脈です。すぐに命を落とすことはありませんが、心不全や脳梗塞を引き起こす危険な不整脈であり、適切な対処を必要とします。

心房細動が問題視されるのは、危険な不整脈であるのに、約半数の人に自覚症状がないことです。
心臓がドキドキしたり、息切れがしたりすることがなければ、この病気になっていても気づかないことがほとんどです。

また、心房細動は進行性の病気であり、初期の発作性から徐々に進行していきます。
・発作性心房細動:心房細動が起こると数時間~数日以内(7日以内)で自然におさまる
・持続性心房細動:心房細動が起こると1週間以上続く状態
・慢性心房細動:常に心房細動が起こっている状態
初期に治療できれば根治することができますが、初期は発作性なのでなかなか気づかれません。不整脈が気になって病院を受診し、心電図検査を行ったとしても、起こっているそのときでないと心房細動をつかまえられないからです。慢性になると心電図検査を受けるとすぐに発見できますが、ここまで進むと心不全や脳梗塞のリスクが高い状態です。

家庭用血圧計で心房細動に気づく

自分で心房細動に気づくもっとも簡単な方法は、指で自分の脈を測る「検脈」です。
岡山ハートクリニック内科部長・ハートリズムセンター長の山地博介医師は、指で自分の脈を測る方法のほかに、朝晩2回、毎日、家庭用血圧計での血圧測定をすすめています。
家庭用血圧計では、血圧と一緒に脈拍数も測れます。心房細動が起こっているときに血圧を測ると、脈が不規則なので測定エラーが続いてうまく測れなかったり、測れても明らかにおかしい数値が表示されたりするそうです。
たとえば、普段はいつも60拍/分程度なのに、心房細動が起こっているときには90拍/分というように高く表示されます。血圧を測定して測定できないなど、明らかにおかしいときには、ぜひ専門の医師に相談しましょう。

けんいち19号では、山地博介医師に、心房細動の仕組みをはじめ、心房細動を早期発見する方法、心房細動で心不全や脳梗塞薬が起こる機序、薬による治療法、根治療法としての「カテーテルアブレーション」などを詳しく紹介いただきました。

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