プロ野球開幕を2日後に控えた3月27日、阪神尼崎駅前から延びる尼崎中央三番街商店街で、恒例の“日本一早いマジック点灯式”がおこなわれた。関西タレント界における“元祖ロケの神様”タージンが進行役を務め、寺井利一尼崎中央三番街商店街理事長、空牙(道頓堀プロレス)、めでタイガーマスク(同)、神井花音(Vress、タレント)、荒川ユミ(書道家)が出席。それぞれのあいさつの後、荒川ユミさんがしたためた書「連覇祈願」を披露された。
続いてマジック点灯の瞬間となるが、名誉応援団長を務める空牙が脚立に乗ってマグネット式のマジックナンバーを貼りつけるという、初開催から変わらぬ実にアナログなもの。最後は集まったファンと歌う阪神タイガース応援歌「六甲おろし」が商店街にこだました。
昨シーズンは18年ぶりのリーグ優勝、38年ぶりの日本一に輝き、“マジック0点灯式”“日本一に向けてのマジック点灯式”も加えて3度のMイベントを開催して大いに盛り上がった同商店街。寺井理事長は「周りは“アレンパ、アレンパ”と連覇祈願で盛り上がってますけど、われわれは強かろうが弱かろうが常に阪神タイガースを応援しております。今年、万が一(優勝を逃す)ということがあるかもしれませんが、その時も阪神タイガースを応援していきたいと思います。今年も秋になったら去年のように、優勝記念セールで喜びたいのはもちろん、今年も3度盛り上がれるように、皆さんで一致団結して応援していきたいと思います」と気勢を上げ、「開幕前にケガ人や体調不良の選手が出て不安材料もありますが、普通にやれば大丈夫でしょう。問題は来年。日本一の2年後は最下位になるというジンクスがありますから。来年、タイガースは創立90周年。今年は巨人が90周年なんで譲って、来年は是が非でも優勝を」と、余裕さえ見せていた。
2002年に始まった同イベントだが、前任の理事長が讀賣巨人軍ファンだったこともあって2003年は点灯式はおこなわれず。2005年、初めてリーグ優勝を飾ったものの、千葉ロッテマリーンズに惨敗して日本一を逃した。2014年にはクライマックスシリーズを勝ち上がって日本シリーズに進出したものの、4勝1敗でソフトバンクホークスに敗退。
ようやく昨年、18年ぶりにセ・リーグを制し、日本シリーズでも4勝3敗でオリックスバファローズを下して、同イベント開催後、初めて日本一の座に輝いた。
2007年に名誉応援団長に就任した空牙にとっても、日本一はもちろん、リーグ優勝を果たした翌年の点灯式は初めて。「これまで優勝できなかったのでいろいろ陰口を叩かれてきましたけど、これでようやく何も言われなくなるんじゃないですか」とジョークを口にする表情も緩んでいた。
在版マスコミ各社が取材に訪れ、正午前のローカルニュースで点灯式の模様が各局でオンエアされるなど、すっかり春の風物詩として定着していると感じられた。
橋爪哲也
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