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2024-06-07

【しゅりんぷ池田のカード春秋】日本ハムの快進撃を支える2000年生まれ世代

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今季好調な日本ハムには2000年生まれの選手が7人います。金村尚真、田宮裕涼、野村佑希、水野達稀、奈良間大己、水谷瞬、万波中正(水谷のみ2001年の早生まれ)の7人です。大学を卒業して2年目に当たる世代です。開幕当初は中継ぎを務めていた金村は5月からは先発に回り、勝ち星こそ挙がっていないものの好投を続けています。

今季のファイターズの最大のサプライズが開幕戦でスタメンマスクをかぶった田宮でしょう。昨季まで通算31試合にしか出場していなかった選手がいきなり先発だったので驚きました。そして、開幕から打ちまくってパ・リーグで打率1位を快走したのですから、なおビックリ。現在も3割台半ばの打率をキープしていますが、伏見寅威がマスクをかぶる際には控えに回るので、規定打席に届いたり、届かなかったりですが、他の捕手が先発する際にはぜひ指名打者で使ってもらいたいものです。

昨年初めて規定打席に到達して2ケタ本塁打をマークした野村は早くから将来の主軸として期待されてきましたが、今季は打撃不振で出遅れ二軍落ち。5月に入って一軍に戻ってきたものの出場機会に恵まれていません。今季の日本ハムの一塁はマルティネスが務めており、好調な打撃でオールスターのファン投票でも1位を独走していますが、元来なら一塁は野村が守っていたはず。

同じように三塁は郡司裕也がレギュラーでオールスターのファン投票でトップを占めていますが、こちらも本来なら清宮幸太郎(2000年組の1個上の1999年生まれ)の定位置だったはず。チームは好調ですが、主軸として期待されていた2人が不振なのは予想外でした。

水野は高卒・社会人経由のプロ3年目。今季はショートの定位置を奪取して6月3日にはオールスターのファン投票で首位に躍り出ました。小柄ながらパンチのある打撃と強肩を利した守備が魅力の選手です。

水谷は現役ドラフトで移籍してきた選手ですが、ソフトバンク時代の5年間は一軍での出場がありませんでした。同タイプの万波の育成に成功したファイターズなら水谷を覚醒させられるのでは? と期待していたのですが、5月29日の試合で初の猛打賞3安打をマークすると翌30日には4安打、さらに6月2日にはプロ初本塁打と爆発! 6月4日現在交流戦の首位打者です。この活躍を予想してパッケージにも水谷を入れていたのですが、大成功となりました。

そして昨年本塁打王にあと一歩に迫った万波は今季もマルティネスと並んでチームトップタイの本塁打・打点をマークする一方で強肩の守備でも魅せ、オールスターのファン投票で12球団の最多得票を得る人気者となりました。

これほどまでに同じ世代から中心選手が生まれるというのは珍しいことですが、日本ハムの快進撃は心躍るものがあります。今後も楽しみですね。


BBM北海道日本ハムファイターズ ベースボールカード2024


当コラムは、これまで「週刊ベースボール」の「Curutural Review」のページに掲載されていたカードのコラムを転載していたのですが、2001年春から続いていたこの連載が先日の4月1日号をもって終了しました。今後、当コラム「カード春秋」(※)はBBMカードサイトのオリジナルコラムとして続けていこうと考えておりますので、よろしくお願い致します。

※「カード春秋」というタイトルは、わたしの出身校・香川県立高松高校(旧制・高松中)の大先輩にして、文藝春秋社の創設者である菊池寛先生へのオマージュなのです。
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