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2024-10-30

【しゅりんぷ池田のカード春秋】プロ野球90周年カード(第2回)「ミスター」と「権藤、権藤、雨、権藤」

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プロ野球90周年カード」の「ニックネーム・キャッチフレーズ」カードの続きになります。長嶋茂雄に付けられた「ミスター」というニックネームもなかなか不思議です。当初は「ミスタージャイアンツ」「ミスタープロ野球」と呼ばれていたはずですが、いつの間にか後段が外れて「ミスター」だけで長嶋を表すことになってしまったという変わった用例です。国民的ヒーローである長嶋の偉大さゆえでしょうかね。

NC03 ミスター:長嶋茂雄(巨人)
NC03 ミスター:長嶋茂雄(巨人)

「権藤、権藤、雨、権藤」というキャッチフレーズも有名ですね。権藤博のデビュー年である61年はいずれもリーグ最多の69試合、419回1/3を投げ35勝を挙げ、310奪三振、防御率1.70と投手タイトルを総なめにして、新人王と沢村賞に輝きます。今季12球団最多の投球回は東克樹(DeNA)の183回ですから、隔世の感があります。

NC04 権藤、権藤、雨、権藤:権藤 博(中日)
NC04 権藤、権藤、雨、権藤:権藤 博(中日)

この大車輪の活躍を指して「権藤、権藤、雨、権藤」という流行語が生まれたわけですが、これは巨人の堀本律雄投手が「中日の投手は権藤しかおらんのか、つぶれてしまうぞ。権藤、雨、旅行(移動日)、権藤、雨、権藤や」と述べたのが発端だったそうです。この堀本は立大で長嶋の1学年上で社会人を経て60年にプロ入り。同年やはりリーグ最多の69試合、364回2/3を投げ29勝を挙げ、権藤同様に新人王と沢村賞をダブル受賞したのですが、2年目の61年は11勝と大きく成績を落としてしまいます。堀本のこの発言はある意味、自虐的なものでもあったのかもしれませんね。


当コラムは、これまで「週刊ベースボール」の「Curutural Review」のページに掲載されていたカードのコラムを転載していたのですが、2001年春から続いていたこの連載が先日の4月1日号をもって終了しました。今後、当コラム「カード春秋」(※)はBBMカードサイトのオリジナルコラムとして続けていこうと考えておりますので、よろしくお願い致します。

※「カード春秋」というタイトルは、わたしの出身校・香川県立高松高校(旧制・高松中)の大先輩にして、文藝春秋社の創設者である菊池寛先生へのオマージュなのです。

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