DDTプロレスリングが12月28日に開催する両国国技館大会でプロレスデビューが決まった俳優の桜庭大翔。普段は2・5次元俳優として舞台を中心に活動を続けているが、身長188㎝、体重110㎏、腕周りは46・5㎝とプロレスラー顔負けの超絶マッチョ体型の持ち主でもある。10月の後楽園大会ではリング上であいさつをするも、なんと極悪集団「ダムネーションT.A」と電撃結託! 一体、何が起こったのか、本人に直撃した。
――10・20後楽園では、ダムネーションT.Aとまさかの結託。とても驚きました。
桜庭 普通にプロレスやろうと思ってたんですよ。ドウェイン・ジョンソン、ザ・ロックが大好きで。ロック様のような選手になりたくて。ああいう海外のプロレス大好きなんで
あのようなプロレスがしたくて行ったんですね。皆さんに挨拶するという形で後楽園に向かったんですけど、佐々木(大輔)さんたちが出てきて。初めてお会いしたんですけど。なんか自分の中でもう1人違う自分が生まれたような気がして。すみません、実はあの日のことは、あんまり覚えてなくて。気づいたら、後楽園を出てたんですよね…。後から動画見返してたら。もう会場では自分めちゃくちゃワルくにはなってたみたいですけど、何も記憶がなくて…。
――会場からも「えー」という声が上がりました。
桜庭 後々どこから記憶がないのかなと思ったら、佐々木さんが出てきてから、なんか目をずっと見つめられて。気づいたら、もう終わってたんですよ。なので、当日のこととかを詳しくお話したいんですけど…。
どうやらプロレスの会場に入ると記憶が混濁しがちになるみたいで…。
――今、お話を伺っていてもすごく物腰の柔らかな方なのですが、あの日のバックステージでは何かが憑依したかのような感じでした。
桜庭 映像を見せてもらったんですけどロック様超えてやるとか言ってましたよね。憧れのロック様を。自分でもびっくりして。プロレス会場、いや多分、プロレスの会場じゃないんですよね。ダムネーションT.Aが僕に与える影響が、今までの自分の常識を超える何かがありましたね。もう1人の知らない自分がそこで誕生しちゃった感じですね。
――後楽園の記憶はあまりないとのことですが、両国大会ではダムネーションT.Aと組んでのデビュー戦が決まっています。デビュー戦への感想はいかがでしょうか?
桜庭 (会場の)記憶がなかったんですけど、もともとダムネーションT.Aはすごく好きで、見てる分には。猛々しいといいますか。ワルいのについ応援したくなるようなチームなので。僕としてはすごい好きなチームなんで。どうやらご一緒できるっていうことで、僕としてはすごく楽しみですね。
――対戦相手はHARASHIMA選手、飯野選手、高尾選手です。
桜庭 びっくりですよね。まさかデビュー戦の相手が、HARASHIMAさん、高尾さん、飯野さん。とんでもないですね、これもう完全に潰しにかかってきてる感じがしてそこはやっぱりちゃんと僕も頑張ろうと思いますね。けっこう見させていただいてるんですよ、試合とか。HARASHIMAさんも筋肉すごいですし、高尾さんはめちゃめちゃ素早いし、なんかトリッキーな技いっぱいして。やっぱり飯野さん。いや、僕も体重増やして増やして、今110キロになったんですけど、まさか初戦で自分より体重重い選手が相手にいるとは思わなかったんで。そこには、やっぱり勢いは負けたくないんで本番までにやれることをやって。迫力では負けたくないですね。どうなるか、本番また会場入ったら今の自分とはまた考えが変わってしまうかもしれないですけど。今の自分としては、ホントになんかもう勝てるように、自分のできることは全部やっていこうと。
――飯野選手に桜庭さんのことを聞いてみたところ、「もちろん体はすごい」と。「ただ、プロレスっていうのは経験であったり技術であったりっていうところがあるから、そこを見せたい」と言われていました。
桜庭 経験の差でっていう。そうですよね。でも、たまに人間って、努力した分とか練習した分とかを凌駕する、何か不思議な力があると思ってるんですよ。火事場の馬鹿力といいますか。それこそ、この間の後楽園の日に、僕も初めての自分に出会ったんで。僕は負ける気はさらさらないっすね、経験がないとはいえ。別にもう1人の自分に丸投げするわけじゃないですけど、僕でやれることはやって、 ちゃんと飯野さんの対策とかもしてもうぶつかっても絶対負けないように体も仕上げて行こうかなと思ってます。あとは飯野さんもバーニング・エルボーやりますよね。絶対、ロック様好きだと思うんですよ。そこでも負けたくないですね。
――先日の後楽園でも新しい自分と出会ったと思うんですが、両国では、それよりももっと違う自分がいるかもしれないですね。
桜庭 あの時はまだスーツだったんですよ。スーツを着た、ただの人だったんで。これがコスチューム来てしまったら、自分でもちょっと想像できないですね。どんな自分が出てくるか恐ろしいですね。
――目標とする110キロまで増量したそうですが、体づくりについては?
桜庭 けっこうなペースで体重も増やしてるんですけど。よくすごい才能だとか言われるんですけど、ただただ死ぬほど食って、死ぬほどトレーニングしてるって感じですね。僕もそのプロレスがもともと大好きなんで。どこの馬の骨かも知れないヤツがいきなり両国でデビューして、なんかいっぱしのプロレスラー気取ってるって思われたくないんで。僕も僕として、ホントにやれる最大限の努力。自分も身長は大きいんで、とにかくもうヘビーの中のヘビーになります。体はある程度負荷には耐えられるような、そして相手を制圧できるような体にまずしなきゃという一心でここまで作ったって感じですね。
――俳優とプロレスの二刀流になりますが、今まで培ってきたものでリングで出せそうな武器となりそうなところはありますか?
桜庭 ある意味、いろんな人生を体験した感じで。2・5次元の良さっていうのもキャラクターなんですよ。普通の舞台と違って、けっこう変わった性格だったりキャラクターをしてたりするんで。特に僕みたいに体がデカい人がやると役的にも結構力強い役だったりするんですけど。その時の記憶が、「こんなとこで負けてられない」ってよみがえったりすると思うんで。自分が今まで経験してきたからこそ持つ、自分の人格以外の芯の強さをそこでちょっとお借りできたら。それも自分の一部だと僕は思ってるんで。演じてきたキャラクターの意志の強さを背負っていけたらいいなって思いますね。
――12月4日から8日にかけては人気漫画『グラップラー刃牙』を舞台化した『刃牙 THE GRAPPLER STAGE -地下闘技場編-』で花山薫を演じられました。
桜庭 そうなんですよ。いろんなキャラクターの強さを僕は借りたいなと思ってるんですけど、やっぱりひとつ言っておきたいのが、両国の(前に演じる)一番直近のキャラクターが花山薫だっていうことを皆さんに覚えていただきましたです。一番強いじゃないですか。ストーリーを飛び出て、実際にそれを体に宿して用ていけたらいいなって思いますね。
――最後に読者にメッセージをお願いいたします。
桜庭 ホントに今話している僕と、実際に皆さんが目の当たりにする桜庭大翔はもしかしたら別物になってしまうかもしれないんですけど。心の中でプロレスを愛しているっていう一点に関しては少しも違わないので、表現の違いこそあれど。僕の思いは今、話しているものと全く同じなので、皆さんが違う一面の僕を見たとしても「きっとあの人はああでもプロレスが大好きなんだ」っていうことをぜひ忘れないでいてくれたらいいなと思います。僕も僕なりの表現の仕方でプロレスをもっといろんな人に、もっと桜庭大翔っていうプロレスラーを表現していけたらいいなって思います。