タイ・バンコクで2月3日(日曜日)に開催された、2回目を迎える「アメージング・タイランド・マラソン・バンコク」を走ってきました。バンコク市内・郊外のホットな観光名所も巡ってきましたので、3回に分けて紹介していきます。3回目は、いよいよレース本番の模様です。
取材・文/高橋幸司 協力/タイ国政府観光庁
2018年の初開催から3万人もの参加者を集め、早くもタイ国内の代表的大会の一つとなった「アメージング・タイランド・マラソン・バンコク」。2回目となる今回の大きなリニューアル点は、ハーフ部門が、フルと同じ午前3時、ラチャンマンガラ国立競技場のスタートとなったことだ。6万5000人収容の巨大スタジアムは、真夜中から約1万5000人(フル6000人、ハーフ9500人がエントリー)ものランナーが集結し、熱気ムンムン。場内に響き渡るノリの良いダンスミュージックに合わせ、参加者たちが体を動かしている。これから走るのに、スタミナが消耗してしまうのでは…と余計な心配をしてしまうが、これもまた海外マラソンならではの雰囲気だ。
タイ国内最大、6万5000人収容のラチャンマンガラ国立競技場に集結したランナーたち
この時期のタイは乾季とはいえ、真夜中でも25℃以上。気温を考えれば午前3時スタートもやむなしだが、時差を考えれば日本では午前5時だから、早朝ランをするのと同じ感覚と思えばいい。辺りを見渡すと、タイ国内や中国からの参加者が多いようだが、駐在員などで構成される地元や隣国カンボジアから来た日本人走友会の姿も結構みられる。駐在員なので出入りもあるそうだが、登録ベースで数百人という現地チームもあるといい、ある日本人ランナーは、「このあと日本に一時帰国して、古河はなもも(3月)を走りますよ」と話してくれた。
ブロックごとに分かれてフルとハーフが一斉にスタート。今回の私は、膝を痛めていることもありハーフでの参加だが、ド派手に打ち上がる花火に自然とテンションが上がる。競技場から出る細い通路でやや渋滞が発生するが、タイムを狙いたい人も焦らずご安心を。実は正式なタイム計測は、通路から出た競技場の外にあるゲートから始まるのだ。だから場内のトラックでは、まずはゆっくり回りながら存分に雰囲気を味わうのがいい。ちなみに、フルもハーフも15分刻みでペーサーが用意されているので、記録を意識したい人にも親切だ。
さて、コースはバンコク市内を東から西へ駆け抜けていき、基本的には高架道上を走っていくのが特徴だ。ハーフは市の中心部にある「民主記念塔」前の大通りでフィニッシュするが、フルはさらに西へ、ラーマ8世橋を渡ってチャオプラヤー川を越えていき、折り返して「民主記念塔」前に戻ってくる。暗い真夜中だけに景色が単調になるのは致し方なしだが、高架道を上がったり下りたりと意外にアップダウンが激しく、むせ返るような蒸し暑さも含め、ある意味、忍耐力も試されるコースだとはいえよう。
2019年大会のフルのコース。ハーフはチャオプラヤー川を渡らず、民主記念塔の前でフィニッシュ
真夜中の市内を駆け抜けるランナーたち。意外にアップダウンが激しく、汗が大量に吹き出す
とはいえ、ホスピタリティーは日本国内のレースにも負けず劣らずの充実度だ。給水所は約3㎞ごとに設けられ、ペットボトルの水や、スポーツドリンク、バナナ、スイカ、小さなお菓子などが提供されていた。個人的にはレース終盤にバテてきたところで口にした甘いお菓子に、だいぶ助けられた。ただし、スポーツドリンクの味は個人で口に合う・合わないがあるだろうから、大量の発汗に加えて、水を飲み過ぎて塩分や電解質を失わないよう、塩飴・タブレットやサプリなどを用意しておくのがベストだろう。
元気にペットボトルを渡してくれるエイドの若者たち。ちなみにマスクをしているのはPM2.5対策のようだ
ペットボトルの水や、バナナから小さな果物まで、エイドは充実している
移動式のトイレバスも至る所に止まっている。もちろん、中は蒸し風呂状態ではあるが…
やや単調な景色から一転、12㎞手前から徐々に見えてくる「戦勝記念塔」の壮大な姿には勇気づけられる。ここがハーフのハイライト、フルでは序盤のハイライトとなるだろう。1941年、仏領インドシナとの紛争で亡くなった軍人らを慰霊するために建てられたこの塔は、美しくライトアップされ、しばし立ち止まって自撮りするランナーも多くいた。そこからはいよいよ市の中心部。折り返しや対面コースも増えて、5時半スタートの10㎞レースの参加者ともすれ違うなど、雰囲気は一層盛り上がっていく。
美しくライトアップされた戦勝記念塔。スマホで自撮りするランナーも多い
ラチャダムヌンノック通りでは、10㎞に出場の走者たちとすれ違った
きらびやかな装飾に彩られたラチャダムヌンノック通りを駆け抜けると、ハーフは、夜明け前には「民主記念塔」前でフィニッシュへ。一方、チャオプラヤー川を渡って西へ向かったフルのランナーたちが帰ってくるのは、ちょうど日が昇ってくるころだ。しかし、フルは3時間台後半、4時間近くになってもゴールテープを切る人の数はまばら。7時間という制限時間の中で、マイペースで走るのが熱帯ランナー流なのかもしれない。その分、サブ4で走れれば、自分の名前だけが大きくアナウンスされてフィニッシュゲートを独り占めでき、より海外マラソンを走り切った充実感に浸れるかもしれない。
ハーフ、10㎞のフィニッシュ地点。夜空を照らすレーザー光線などの演出でゴールを出迎えてくれる
民主記念塔をバックに、完走メダルをかざしながら思い思いに記念撮影
ハーフに比べるとちょっと小ぶりな、フルマラソンのフィニッシュゲート。4時間近くになっても帰ってくる人がまばらなだけに、まるでトップでゴールするような気分に浸れる…かも?
さて、フィニッシュして完走メダルを首にかけてもらったあとは、クーポン券を手渡されて別の広場へ移動。そこで、クーポンと引き換えに食事やデザート、ドリンクを食することができるのが、とてもうれしい。正直、ここまでホスピタリティーが充実している大会とは想像していなかった。
クーポン券と引き換えに食事やドリンクを手にできる
食事をしながら一息入れ、レースの余韻に浸るランナーたち
さらに喜ばしいのは、夜中に走る分、レース後にホテルに戻って一休みしても、そこから市内観光に出かける時間がたっぷりあることだ。今回は、宿泊したホテル・ニッコー・バンコクに戻り朝食をとって一息ついた後、市内にある巨大な涅槃像で有名なワット・ポーや、輝くガラス製のヒスイ色をした仏塔や天井画で人気沸騰のワット・パークナムなどを回ることができた。
ワット・パークナムの仏塔と天井画は、まさしくインスタ映えする幻想的な美しさ
そのまま、その日の深夜便で帰国すれば、日本に到着するのは月曜日の早朝。私は搭乗前に空港のタイ古式マッサージ店で施術を受けたおかげで、脚にまったく疲れが残らずに済んだ。月曜から出社しなくては…という人にも、やはり本場のマッサージはお勧め。スッキリした体と心で仕事場へ向かえるだろう。
気候も暑いが、マラソンの熱気もアツい、これがタイのランニング文化なのかと大会を走ってみて実感した。仏教に根ざす歴史や伝統はもちろん、未来へと発展するバンコクの姿、そしてアジア、いや世界でも指折りであろうランニング文化の熱さと、すべてを満喫することができた。さまざまなアクティビティーでタイを熟知している人も、私のようなタイの「初心者」も、時間を有効に使いながらランも観光も楽しめる。「アメージング・タイランド・マラソン・バンコク」への注目度は、今後、より高まっていくのは間違いないだろう。2020年も2月の第1日曜日、2月2日の開催予定だ。
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