close

2025-04-03

新日本4・5両国に向け後藤洋央紀に聞く。対デビッド・フィンレーは「誰もが認めるチャンピオンになるための闘い」【週刊プロレス】

IWGP世界ヘビー級王者の後藤

全ての画像を見る
新日本4・5両国でニュージャパンカップ(NJC)覇者デビッド・フィンレーを相手に、IWGP世界ヘビー3度目の防衛戦に臨む後藤洋央紀をインタビュー。フィンレーとは昨年8・6後楽園、G1クライマックス公式戦で闘ったさいは勝利を飾り、応援に来ていた長男と次女の前で“強い父親像”を見せつけた後藤。だが、10・14両国でフィンレーのIWGP GLOBALヘビーに挑んだ時は、フィンレーが子どもたちを挑発しながら後藤をボコボコにして勝利。次女は涙を流し、それを見たフィンレーが挑発するシーンもあった。“後藤家”にとっても因縁浅からぬフィンレーとの闘い。昨年10月のリベンジも懸け、後藤はNJC優勝者を迎え撃つ。(試合写真撮影・菊田義久/聞き手・奈良知之)

――3・30浜松での、次女から「イスでも机でも使っていいから勝って!」と言われたというコメントは衝撃的でした。「普段は優しい小さな女の子すら狂わす。だからといって、反則で報復してもその心は晴れない」と話しましたね。
後藤 なんとしても勝って、と。少し曲がった考え方でしたけど“そういうことじゃないんだよ”というのも、教えるべきことではあるので。試合を通じて教えたいなと思います、勝てばいいってものじゃないんだよと。
――次女からその言葉が出てきた時も、そういう話を?
後藤 もちろん言いました。「勝てばいいというものじゃない。ルールがあるなかでの闘いだから」ということは言ったんですけど。中には机だイスだと出す選手もいるなかで、ああいう発言が出てしまったと思うんですけど(苦笑)。ちょっと、狂わせましたね。
――それを聞いて、両国はより真っ向勝負の思いが強まりましたか?
後藤 自分的にはそうですね。子どもに恥じない闘いは意識するつもりです。
――プロレスを通して、道徳を学ばせると。
後藤 そういう部分は思いました。子どもたちもたくさん見ているし、自分の子どもたちだけじゃない。サイン会など並んでくれる子どもたちの顔が一気に浮かんできました。今どきの子どもは中指を立てるジェスチャーの意味とか、みんな知っていますからね。20歳以上違うオッサン(フィンレー)から中指を立てられる小学生…それはショックを受けるでしょう。子どもたちの手本になるような闘いをしたいです。
――反則で報復しても意味はない?
後藤 心は晴れないですよね。それでもし勝ったとしても、それは本当に勝ったとは言えないと思う。笑顔で「勝った!」と言えるのは、しっかり3カウントをいい形で、自分のスタイルで取ってこそ。フィンレーは自分の親父のことを悪く言ったりして、その憎しみが原動力になっているのか知らないけど、俺は真逆。家族への思いが原動力になっているので、そういう意味では正反対ですよね。親へのリスペクトがあればもっと強くなれるんだよ、というところをフィンレーに教えたいですね。
――ただ、NJCではシレイリは使わず、より真っ向勝負で闘っていた印象です。
後藤 そうですね。反則なんかもあまりなかったように思いますし、逆にそっちのほうが怖い部分はある。声援も五分五分なのか、チャレンジャーという部分で向こうに(声援が)集まる可能性もあるし、それはやってみないとわからないと思います。
――初防衛戦が棚橋弘至選手、2度目が永田裕志選手で、いわゆる新世代を迎え撃つのは初の防衛戦になりますね。
後藤 フィンレーも新世代か。でも、新世代と言ってもNJCを優勝しているいま現在の最強のチャレンジャー。いままでの2人は一方的に俺が超えなきゃいけない選手だったけど、今回は誰もが認める挑戦者を迎え撃つ。チャンピオンとしての見せどころ。自分がチャンピオンになったことの真価が問われる試合になりますね。
――昨年10月の両国の…。
後藤 リベンジという部分もあるし、そこは次女の笑顔を取り戻したい。やっぱり、あの時の負けはデカいと思う。そのあとチャンピオンベルトを取って這い上がる姿は見せられたと思うけど、まだフィンレーというトラウマは残っていると思うので。最初は迷っていたけど、たぶん(会場に)来てくれると思う。ただ「絶対勝ってね」と。「もちろん頑張るよ」と言ったら「だったら行く」と。またやるとなればどうしてもあの悪夢は蘇ると思うので、いい形で塗り替えて終わりたいですよね。
――フィンレー選手は、自身を指名するチャンスはいくらでもあったのに、なぜしないのかと憤慨していました。
後藤 チャンピオンとして、俺のなかで超えたいものを順番に超えてきているわけです。棚橋さんを超えずに、永田さんを超えずに、王者を名乗っていいものか…というのはあった。まずは自信が持てる王者になりたかったので、“いずれ”とは思っていましたよ。王者じゃなくても(借りは)返さないといけないと思っていましたし、彼がNJCを優勝したということは縁があったということ。俺的にはリベンジするチャンスができてよかった。
――防衛を重ね、気持ち的にもいい状態で両国へ?
後藤 超えなければいけないものを超えて、気持ち的にも肉体的にも王者として充実した状態を持ったということですよね。いまは胸を張って王者と言える立場に自分自身でもなれているので。最強のチャレンジャーを迎え撃ち、新日本プロレスの真の王者として本当に強いチャンピオンの姿を見せる。それが、いま俺がやるべきことですね。ここを超えることによって、自分自身で認めるだけじゃなく、お客さんも、誰もが認めるチャンピオンになるための闘いが次だと思っています。
――フィンレー選手はWAR DOGSのリーダーで、バレットクラブの内紛も起きていますが…。
後藤 チャンスだね。Just 4 Guysも本隊に迎え入れるべきだという思いは俺も持っていましたし、ここは一気に本隊が勢力を拡大して、新日本を一つにしていくためにも、WAR DOGSのアタマを潰したいですね。軸として本隊が一番にいないといけない思いは強いし、そのトップが自分であるという自覚はある。新日本を引っ張っていくうえで、ここは落とせないです。
――わかりました。両国の先の展望も含めて、今後に向けて一言お願いします。
後藤 俺のビジョンでは、じつはやりたい人間も新たに出てきている。もちろん(両国で)勝ってからですけど、そこも超えて新日本をさらに盛り上げていく。そこだけしか見ていないです。
――ちなみに、フィンレー選手との闘いに向け長渕剛さんの曲で思い浮かぶものは?
後藤 パッと思いついたのがね、『蝉 semi』ですね(キッパリ)。昇ってみましょか、行けるところまで!

PICK UP注目の記事

PICK UP注目の記事



RELATED関連する記事