close

2025-04-11

【連載 大相撲が大好きになる 話の玉手箱】第28回「プロポーズ」その1

平成28年1月30日、琴奨菊と祐未夫人の結婚披露宴が催された

全ての画像を見る
6月の花嫁、ジューン・ブライド。
ローマ神話由来で、この月に結婚したカップルは一生、幸せな結婚生活を送れるんですって。
力士たちの多くは20代。いわゆる適齢期ぞろいです。
当然、女性に対する関心も高く、そのハートを射止めるための方法、プロポーズの仕方もさまざまです。
力士たちはどうやって結ばれるのか。日々、土俵上で一発勝負にかけているだけに、実に個性的です。
まだ結婚していないあなた、ぜひ参考にしてください。
※月刊『相撲』平成31年4月号から連載中の「大相撲が大好きになる 話の玉手箱」を一部編集。毎週金曜日に公開します。

絵本の間にダイヤ

女性のハートをゲットするためなら、男はどんな苦労もいとわない。それにしても、ここまでやるとは。力士もなかなかやるものです。
 
平成26(2014)年10月、大関琴奨菊(現秀ノ山親方)は、2年前に知人の紹介で知り合った元アパレル会社勤務で、3歳年下の石田祐未さんにプロポーズした。そのプロポーズの仕方が実に凝っていた。
 
自らを故郷の福岡県柳川市の名物、あの田んぼや川にいるどじょうに例え、生まれたときから成長し、現在に至るまでのストーリーを創作。これだけでも大変なのに、これをイラストレーターのYOSHIEさんに6ベージの絵本に仕立ててもらい、さらにこの絵本の間にダイヤの指輪をはさんで、

「結婚しよう」
 
と贈ったのだ。
 
これだけ手の込んだプロポーズをされては、大概の女性はハートがしびれる。祐未さんも「真摯な思いがよく伝わった」そうで、すんなりと首をタテに振った。
 
この祐未さん、学習院大卒で、英語やスウェーデン語など、4カ国語が堪能。結婚後はフードマイスターの資格を取得して琴奨菊の食生活をしっかり管理するなど、世話女房としても定評があった。おかげで、琴奨菊は平成28年初場所には待望の優勝を果たし、36歳まで現役を務めることができた。相撲も結婚も、ガブリ寄りに尽きる。もしかすると親方となったいまごろ、若い者にこう説いているかもしれない。

月刊『相撲』令和3年7月号掲載

PICK UP注目の記事

PICK UP注目の記事



RELATED関連する記事