
3月第3週からFAが解禁となった米プロフットボールNFLで、現地時間3月17日は、歴史的な移籍が相次ぐ一日となった。
ニューイングランド・ペイトリオッツのQBトム・ブレイディが、タンパベイ・バッカニアーズに入団することで合意したと、NFLの公式サイトや複数の米メディアが報じた。入団契約の詳細は不明だが、NFLネットワークのイアン・ラポポートによれば、1年あたり3000万ドル(約32億円)の複数年契約という。

ペイトリオッツを退団するQBトム・ブレイディ。もうこのジャージ姿は見られなくなる=photo by Getty Images
ブレイディはバッカニアーズとの合意がニュースとなるちょうど10時間前に、自身の公式ツイッターやフェイスブックを更新し、ペイトリオッツのトム・クラフトオーナーや、ビル・ベリチックヘッドコーチ(HC)、チーム関係者や地元のファンに対して、深い感謝の念を表し、別れを告げるメッセージを掲載していた。
Tom Brady on Twitter
twitter.comTom Brady on Twitter
twitter.comバッカニアーズは、2015年のドラフト全体1位指名で入団したエースQBジェイミーズ・ウィンストンが期待通りの成長曲線を描けず、チームも低迷。昨シーズン招聘した新HCブルース・エイリアンズは、徹底したパス多投オフェンスを展開し、ウィンストンはリーグ1位となるパス5109ヤードをマークしたが、被インターセプトも30と、過去30年間のNFLワーストを記録。チームはウィンストンを見限って、FAとなったブレイディに入団を求めていた。
ブレイディは、1977年8月生まれの42歳。名門ミシガン大学から2000年ドラフト6巡全体199位でペイトリオッツに指名され入団。当初は控えだったが、2001年のシーズン途中、エースQBドリュー・ブレッドソーの負傷で先発に昇格すると、チームは連勝を続けてスーパーボウルへ進出。圧倒的不利の予想の中でセントルイス・ラムズに勝利して、チームを初の王座へ導き、史上最年少のスーパーボウルMVPとなった。その後2003年、2004年のシーズンにスーパーボウルを連覇。2007年シーズンにはレギュラーシーズン16戦全勝(シーズン16試合制では史上唯一)を達成したが、スーパーボウルではニューヨーク・ジャイアンツに敗れた。
2010年代に入っても、スーパーボウルに5回出場(2011、2014、2016、2017、2018年シーズン)し3回優勝(2011、2016、2018年シーズン)を果たした。
スーパーボウル9回出場、6回優勝は、選手としてはいずれも史上最多で、スーパーボウルMVP4回、NFLのシーズンMVP3回、(オールスターゲームの)プロボウル選出14回。通算パス獲得距離7万5451ヤード、通算パスタッチダウン(TD)541は史上2位。レギュラーシーズンで先発した283試合で219勝64敗、ポストシーズンは41試合先発で31勝10敗も史上1位だ。Great of All Timeの頭文字をとってGOATと称されてきた。
夫人は「世界で最も稼ぐスーパーモデル」と言われるジゼル・ブンチェン。MLB元レッドソックスのケビン・ユーキリスは、義理の兄。

チャージャーズに別れを告げ、コルツへ入団するQBフィリップ・リバース=photo by Getty Images
3月17日は、他にも、リーグ屈指のQB達の去就が決まった日となった。ロサンゼルス・チャージャーズのエースQBだったフィリップ・リバースは、インディアナポリス・コルツと1年2500万ドル(約27億円)で入団に合意した。2019年シーズンの終了後にチャージャーズとの契約が切れていたリバースは、移籍を明言していた。
リバースは、1981年12月生まれの38歳。ノースカロライナ州立大から、2004年ドラフトの1巡4位でニューヨーク・ジャイアンツに指名され、直後に、全体1位指名だったイーライ・マニング(2019年限りで現役引退)とトレードでサンディエゴ・チャージャーズに入団。3年目で先発に昇格すると、パス4000ヤード以上11シーズンという豪腕でオフェンスをけん引した。通算パス成績は59,271ヤード、397TD。プロボウルにも8回選出され、リーグを代表するパサーとなった。
しかし、ドラフト同期のQB、イーライ・マニングとベン・ロスリスバーガー(スティーラーズ)がそれぞれ2回ずつスーパーボウルで優勝したのに対し、リバースは、AFCチャンピオンシップに1回進出したのみに終わっている。移籍先のコルツで、悲願のスーパーボウル優勝にチャレンジすることになる。

セインツと2年契約を結んだQBドリュー・ブリーズ=photo by Getty Images
ニューオリンズ・セインツQBドリュー・ブリーズは、2年5千万ドル(約54億円)で契約更改し残留した。ブリーズは1979年1月生まれの41歳。パーデュー大学から2001年ドラフト2巡全体32位で入団したのはチャージャーズだったが、5シーズンをすごした後にセインツに移籍。以来ニューオリンズ一筋で過ごしてきた。プロボウル選出13回、通算パス獲得77,416ヤード、TD数547は、パス5000ヤード以上のシーズン4回は、いずれも史上最多。2009年シーズン以来2度目のスーパーボウル優勝に向けて、最後の挑戦となるだろう。
【小座野容斉・写真はGetty Images】

ペイトリオッツを退団するQBトム・ブレイディ=photo by Getty Images

2019年のシーズン公式戦最終戦で、チーフスとの戦いを終えた後、若きスターQBパトリック・マホームズと握手をするフィリップ・リバース=photo by Getty Images

通算パス記録は、ブレイディすら追いつけないQBドリュー・ブリーズ。引退までに再びスーパーボウル制覇を目指す=photo by Getty Images
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