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2025-04-18

【連載 大相撲が大好きになる 話の玉手箱】第28回「プロポーズ」その2

平成29年6月8日、荒鷲はヤンジンラムさんとの結婚を発表した

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6月の花嫁、ジューン・ブライド。
ローマ神話由来で、この月に結婚したカップルは一生、幸せな結婚生活を送れるんですって。
力士たちの多くは20代。いわゆる適齢期ぞろいです。
当然、女性に対する関心も高く、そのハートを射止めるための方法、プロポーズの仕方もさまざまです。
力士たちはどうやって結ばれるのか。日々、土俵上で一発勝負にかけているだけに、実に個性的です。
まだ結婚していないあなた、ぜひ参考にしてください。
※月刊『相撲』平成31年4月号から連載中の「大相撲が大好きになる 話の玉手箱」を一部編集。毎週金曜日に公開します。

上空でプロポーズ
 
愛が実を結ぶ瞬間って、もしかすると宙を飛んでいるような気持ちかもしれない。これを地で言ったのがモンゴル出身の荒鷲(元幕内、令和2年初場所引退)だ。
 
この荒鷲、1場所に2個も金星を獲得したことがある。前頭2枚目だった平成29(2017)年初場所のことで、6日目に鶴竜(現音羽山親方)を寄り切り、1日置いた8日目に白鵬(現宮城野親方)も寄り切った。鶴竜に勝ったときに手にした懸賞は6本(手取り18万円)だったが、白鵬を破ったときは46本(手取り138万円)。花道を踊るような足取りで引き揚げてきた荒鷲は、

「あんなに重いのは初めてだ。とても片手じゃ持てないよ」
 
とおどけている。
 
プロポーズを敢行したのはこの記念すべき場所後。お相手は、同じモンゴル出身で3歳年下の元客室乗務員、プレブタン・ヤンジンラムさん。2年前に知り合い、遠距離恋愛を育んできたそうで、プロポーズの舞台は、なんと東京の夜景を楽しむ観光ヘリコプターの機内。半年後の6月8日に結婚会見を開いた荒鷲は、このときのことを振り返って、

「(プロポーズの言葉を)ずっとどう言おうか、考えていたので、夜景はまったく覚えていない」
 
と照れ笑いしたが、文字どおり上の空だったんでしょうね。
 
プレブタンさんの返事は、もちろんOK。荒鷲は、

「子供は5人以上、欲しい。まずは相撲をもっとがんばらなくてはいけない」
 
と話したが、このプロポーズ直前の初場所が自己最高位で、3年後に引退している。男の本懐をなし遂げて安心したんでしょうか。

月刊『相撲』令和3年7月号掲載

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