東京マラソンEXPOが本日からスタートした。今年はランニングマガジン・クリールのブース出展を控えたので、メーカーの方たちへのあいさつと営業、そして、タイ政府観光庁のマラソンセミナーの講師もあったので午後から出かけた。
今年も昨年同様に、4階にアシックス以外のオフィシャルのブース、1階にアシックスと一般ブースが並んだ。4階から1階へのエレベーターに乗って見下ろすと、モー・ファラー選手が微笑んでいるブースが見えた。まさかと思ったが、やはり、Maurten(モルテン)と書いてある。
モー・ファラーをはじめ、Twitterをフォローしていてエリウド・キプチョゲ選手(ナイキのBreaking2で1時間まであと26秒に迫った)が所属しているNN Running Teamのメンバーも愛用しているドリンクだ。ずっと気になっていた。スウェーデンの新興企業が開発したスポーツドリンクは、日曜日に東京マラソンを走るウイルソン・キプサング選手やエチオピアのケネニサ・ベケレ選手も愛用しているという。
日本では日清食品の佐藤悠基選手がカタログに掲載されていたし、ほかにも名前は出せないが、日本のトップ選手の中にも愛用している選手がいるそうだ。
ずっと気になっていて、日本で手に入らないかと探したが、ネット通販でしか見ることができなかった。実店舗で販売しているという話を聞いたことがなかったので、まさか、実物に東京マラソンEXPOで出会えるとは思わなかった。
これは購入するしかない。実はまだ、家に帰りついていないし、この価格なので、レースや高強度のトレーニング以外ではあまり使いたくない。というわけで、体感レポートは当分できないかもしれないが、このドリンクがトップアスリートに好まれている理由を少しだけ探ってみたい。
モルテンは、顆粒を水で溶かして飲むタイプで、DRINK MIX 320とDRINK MIX 160の2つのタイプがある。ともに500mlの水に溶かす。パッケージの原材料名の欄には、マルチデキストリン、フルクトース、ペクチン、アルギン酸ナトリウム、塩化ナトリウムとしか書かれていない。
エネルギーは、320(80g)で320kcal、160(40g)で160kcalなので、特別多いわけではない。炭水化物は320が79gで、160が39g、塩分はともに0.001gで、脂質とタンパク質は0gと書いてある。これらがどのように働くのだろうか。
同封されているカードには、モルテンが開発した「ハイドロゲル技術」がポイントだという記述がある。「この技術により、限界を超えた高い炭水化物濃度を吸収できる、スポーツ飲料を開発することに成功しました」と。通常、飲み物に含まれている炭水化物濃度が高いと、水分や炭水化物の吸収量が低下するが、モルテンはその現象が起こらないということのようだ。カードにはさらに次のように書かれている。
「モルテンは、胃の酸性度により即座にハイドロゲルに変換され、含まれている水分・塩分・炭水化物をゲル状に包み込みます。ハイドロゲルに包み込まれた水分・塩分・炭水化物は胃から腸へスムーズに流れ、腸内で放出され、運動エネルギーとして体内に素早く吸収されます。このハイドロゲル技術により、人間の身体が許容できる限界を超えたエネルギーを、素早く大量に供給することが可能になりました」
文面通りのことが果たして、私たちの体の中で起こるのかどうかはわからない。これだけの説明では、ハイドロゲル技術がどういうものなのかも、明確に理解できない。ただ、これだけ多くのトップアスリートが愛用しているのだから、それなりの効果があるのではないか。私は3000円のテストセットを購入した。まずは、160を週末の30km走で試してみよう。調子がいいようなら、3月の板橋Cityマラソンで320をスタート前に使ってみようと思う。
実際に効果があるかどうかわからないが、ファラーやキプチョケ、キプサングらが使っているのだから、それだけでプラセボ効果も期待できるのではないかと思っている。
英語のサイトを見ると、昨年のNYシティマラソンを制したジェフリー・カムワラー選手、シカゴマラソンで優勝したゲーレン・ラップ選手ら多くの選手が使っていることがわかった。どうやら、NN Running Teamとオレゴンプロジェクトのメンバーの多くが使用しているようだ。
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