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2016-01-06

「やっぱり、アメリカンフットボールは、面白い!」 21年前のインパルス主将・白岩さんが手記(2016年1月3日)

 1月3日のライスボウルで、立命館大学パンサーズを破って4回目の日本一に輝いたパナソニックインパルス。1995年1月のライスボウルで、松下電工(当時)を主将として初の日本一に導いた、白岩弘司さんから手記をいただいた。白岩さんは、「レジェンド」脇坂康生選手の2年先輩。185センチ105キロの巨体でDTとして大暴れし「パナソニックイコール強力ディフェンス」という今に至る図式を確立した、伝説的な名選手だった。人柄のにじみ出たハートフルな文章を、お読みいただきたい。(小座野容斉)

日本選手権 第69回ライスボウル(2016年1月3日、東京ドーム)
パナソニックインパルス○22-19●立命館大学パンサーズ

【パナソニック vs 立命館大】第4クオーター残り1分31秒、フォースダウンロングのギャンブルで、パナソニックはQB高田からWR本多へパス。本多は後方に走り込んできたWR小山にバックトスし、小山が独走、逆転のTDとなる。後方で手を挙げて喜んでいるのは高田。パナソニック乾坤一擲のスペシャルプレーだった=2016年1月3日、撮影:小座野 容斉 (Yosei Kozano)

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 ライスボウルを、グランドでもなく、スポッター席でもなく、初めてスタンドから観させてもらいました。

 OBとして、社員として、目一杯応援しました。

 改めて、お客様の多さにびっくりしました。

 21年前とは、社会人チームの置かれた環境が大きく変わっていたり、外国人選手が多く参戦していることなど、あの頃と比較はできないですね。

 更に、選手の能力はもちろん、身体が二回りくらい大きくなっているのは、改めて驚きました。

 当時185センチ105キロの私は、「大型選手」と言われてましたが、今年のチームのラインなら、むしろ「小柄」ですね。逆に今年のチームなら、他のポジションをやらせてもらえたのでは?とさえ、思いました。まぁ活躍出来てないでしょうが。

 8年ぶりの優勝を目の当たりにし、体感し、優勝と同時に二つのことを強く感じました。

 一つ目は、甲子園ボウル、ジャパンXボウルに続いて、最後の最後まで勝者が判らない大接戦だったので、私の周りの「フットボール素人」の方々が「アメフット面白いやん」と、認識して頂けたことです。

 さまざまな普及活動がありますが、やはり、日本のトップを争うゲームが、「面白い」ことは大事なんだと再認識しました。

 二つ目は、内輪の話で申し訳ないのですが、やはり企業が、チームを持つ意味の一つは「社内の結束」みたいなものがあると思うのです。それをスタンドで、そして試合を前にした職場でのやり取りで、強く感じました。

 共通の目標を持ち、職場や年齢の枠を超えて一緒になって応援する、支援する。素晴らしい経験をし、ご褒美に大きな感動をもらいました。

 「ライスボウル出場の際のノウハウ」は裏方さんにもいろいろとあるようなので、7年も間が開くと伝承が危ぶまれますから、今年はギリギリでしたね。

 会社幹部からは、「最後まで諦めない心」について多く語られていました。真面目な我が社らしいと思います。

 最後に、逆転のドライブでの2度目の4thdownーロングの場面について。21年前も同じように立命館に追い込まれ、絶体絶命のピンチから、QB渋谷→WR渡邊へのパスが決まったことをあの場面で思い出し「同じことが起こるように」と祈っておりました。

 結果は・・・。同じようにどころか、スペシャルプレーで一気にタッチダウン!参りました。

 やっぱり、アメリカンフットボールは、面白い!

                      2016年1月3日 白岩弘司

【パナソニック vs 立命館大】逆転勝ちで8年ぶり4回目の日本一、万歳をするパナソニックの高山主将と選手たち=2016年1月3日、撮影:小座野 容斉 (Yosei Kozano)

【パナソニック vs 立命館大】パナソニックのDL陣(左から)飾磨、脇坂、武田=2016年1月3日、撮影:小座野 容斉 (Yosei Kozano)

【パナソニック vs 立命館大】第2クオーター、ロングパスを狙うパナソニックのQB高田=2016年1月3日、撮影:小座野 容斉 (Yosei Kozano)

【パナソニック vs 立命館大】第1クオーター、力強いランで25ヤードをゲインしたパナソニックRB横田=2016年1月3日、撮影:小座野 容斉 (Yosei Kozano)

【パナソニック vs 立命館大】第4クオーター13分、逆転TDを決めたパナソニックWR小山=2016年1月3日、撮影:小座野 容斉 (Yosei Kozano)

【パナソニック vs 立命館大】第3クオーター7分、タッチダウンを挙げて喜ぶパナソニックRB横田(中央)=2016年1月3日、撮影:小座野 容斉 (Yosei Kozano)

【パナソニック vs 立命館大】両チームで最多のラン105ヤードを記録したパナソニックRBデュプリー=2016年1月3日、撮影:小座野 容斉 (Yosei Kozano)

【パナソニック vs 立命館大】ライスボウルMVP(ポール・ラッシュ杯)に輝いたパナソニックのRB横田=2016年1月3日、撮影:小座野 容斉 (Yosei Kozano)

【パナソニック vs 立命館大】アメフット議員連盟会長の麻生副総理から優勝トロフィーを手渡されるパナソニック高山主将=2016年1月3日、撮影:小座野 容斉 (Yosei Kozano)

【パナソニック vs 立命館大】勝利を喜ぶパナソニックのチアリーダー=2016年1月3日、撮影:小座野 容斉 (Yosei Kozano)

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