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2025-06-09

【陸上】兵庫県大会で女子100mH13秒27(+2.1)滝川二高の1年生・福田花奏 近畿地区大会でも記録更新に期待

兵庫県大会の女子100mH準決勝で13秒31(+0.7)の高校記録をマークした井上(右)と13秒46(+1.7)の高1最高で走った福田(左) 写真/中尾義理

7月25日に広島市で開幕する陸上競技のインターハイ。その出場切符を懸けたブロック大会が各地で行われる。近畿大会(6月12~15日/京都市)では、女子800m日本記録保持者の久保凛(東大阪大敬愛高3年・大阪)のほか、兵庫大会の女子100mH準決勝で13秒31(+0.7)の高校新をマークした井上凪紗(滝川二高3年)と13秒46(+1.7)の高1最高で走った福田花奏(同1年)にも熱視線が注がれる。

あこがれの先輩を追って記録更新中

兵庫大会は井上が13秒13(+2.1)で制し、2位の福田も13秒27。追い風参考記録だが、従来の高校記録13秒34に比すると、ともに衝撃的なタイムだ。

福田は昨年の全日中2位で、U16大会をU18日本新となる13秒09(+1.6)で優勝。昨年の佐賀国民スポーツ大会を13秒49(+1.0)で制した井上にあこがれて、滝川二高に進学した。

中学と高校ではハードルの規格が異なる。高さが上がり、ハードル間の距離も長くなる。規格変更に戸惑う選手は少なくない。福田も高校デビューは14秒74(-1.5)だった。福田は「試合に出るたびに記録があがってきましたが、後半はハードルの高さが怖くて、スピードが落ちてしまいます」と話す。

初めてのインターハイ路線は、13秒98で走った神戸市予選からスタート。兵庫大会当日の朝は「目標は高く持つ方がいい」と考え、「お母さんに、13秒5を出してくるよと言って家を出てきました」。予選で有言実行の13秒59(+0.1)。高1歴代最高記録を14年ぶりに更新し、準決勝と決勝ではさらに記録を短縮した。

いくら中学時代に優れた実績を持つとはいえ、高校に進学してまだ2ヵ月。本人も「もう、びっくり、驚きです」という著しい躍進の背景には、練習環境と探究心がある。普段の練習では、井上や兵庫大会準決勝で14秒06をマークした幸玉いちか(3年)らと切磋琢磨する。そのなかで、前半の走りが課題の井上がハードルを3台並べて、スタート練習を反復しているのを見て、福田も課題を克服しようと工夫。「10台で練習させてほしいと、潮﨑(傑)先生に言って、それをやってきました」と後半の走りを磨いた。「さばく練習はまだできていませんが、ハードルを跳んでいた感覚から走り抜ける感覚に変わってきました」と言い、“高い=怖い”が解消されつつある。

兵庫県大会では、井上は「負けたくない」と、後輩の躍進に発奮した。一方の福田は「凪紗先輩の速さを体感できました。あこがれの先輩が、背中が近い存在になってきたと思っています」。2位に入った100mでも準決勝で11秒82(+2.0)の自己ベストをマークした福田の可能性は底が見えない。近畿大会でも、記録への期待感が伴う好勝負が待っている。

文・写真・中尾義理

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