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2025-06-14

【陸上】愛知県大会・女子200mで29年ぶりの大会新 豊明高・野見山寧祢が東海大会で短距離三冠へ

愛知県大会女子200mで23秒97をマーク。29年ぶりに大会い記録を更新した(写真/黒崎雅久)※写真は別大会のもの

6月12日の近畿大会を皮切りに、今夏、広島で開催されるインターハイに向けた戦いが各地で行われている。6月20日から三重で行われる東海大会にも注目選手が多数出場。活況の高校女子スプリント界に、新たなヒロイン候補が誕生した。愛知県大会で200m、400mの二冠を獲得した野見山寧祢(豊明高3年)だ。野見山は100mでも3位に入り、3種目で東海大会に進出した。

1年目から続けている「タイヤ引き」努力が3年目で開花

初日に行われたのは、自身のメイン種目である400mだった。「以前は自分に自信がなくて、前半から思い切って行けなかったのですが、決勝は自信を持って走ることができました」と積極的なレースを展開。5月初旬の支部予選で出した自己記録(55秒30)には及ばなかったものの、55秒51で圧勝した。翌日の100mでは、準決勝で11秒86(+0.4)の自己新をマーク。決勝は、この種目を専門とする強力なライバルたちが意地を見せたが、野見山も11秒96(+0.3)と好走した。

圧巻は、最終日の200mだろう。「大きく走ること」を心がけたという決勝では、「予選と準決勝で貯めていた、もっと走りたいという気持ちを爆発させました」と前半からリードを奪い、23秒97(0.0)でフィニッシュ。1995~97年にインターハイで3連覇の偉業を成し遂げた名スプリンターで、この日も会場を訪れていた鈴木智実さん(市邨学園高)が、2年時の96年に樹立した大会記録を29年ぶりに0秒02更新する快走に、場内がどよめいた。

昨年度は400mで福岡インターハイに出場したが予選落ち。200mの自己記録は25秒11だったが、シーズン序盤にして1秒以上も伸ばした。現在、豊明高の女子短距離部員は2人。野見山は「冬期練習から自分との戦いだった」と振り返り、自ら考えながらトレーニングをしてきた。1年生のときから、毎朝続けているのがタイヤ引きだ。「小さいことの積み重ねは、すぐには成果が表れないけど、あきらめずに練習してきました」と、地道な努力が3年目で開花した。

6月20日からは、広島インターハイへの最終関門である東海大会に臨む。「400mでは、まずは54秒台。冬期からずっと、53秒台を出したいという気持ちでやってきたので、それにつながるレースをしたい。100mと200mでは1番になりたい」と野見山。穏やかな口調ながらも、強い決意が感じられた。

文/石井安里 写真/黒崎雅久

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