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2025-06-25

ジャイアント馬場の大番狂わせ、アントニオ猪木の成長 プロレス歴史街道~愛知県体育館編(1)日本プロレス時代【週刊プロレス】

ジャイアント馬場がボボ・ブラジルに敗れた一戦は衝撃的だった(1968年6月25日)

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6月29日、新日本プロレスが愛知県体育館(ドルフィンズアリーナ)で大会を開催する。名古屋城の敷地内、二の丸公園に建設され、昭和の東京オリンピックが開催された1964年に開館した同館。翌年から大相撲名古屋場所で使用されてきた“県体”は、プロレス界において“格闘技の聖地”東京・後楽園ホール、“西の殿堂”大阪府立体育会館と並ぶ、東海地区での常打ち会場で数々の事件が繰り広げられた。

老朽化のため6月末で一般利用が終了する愛知県体育館。7月からは2倍ほどの収容人数(1万7000人)を誇り、名城公園北園に新設される「IGアリーナ」に移転。大相撲名古屋場所がこけら落としとなる。東海地区を彩ってきた愛知県体育館におけるプロレスシーンを振り返る。題して「プロレス歴史街道~愛知県体育館編~」。(文中敬称略)


プロレスで愛知県体育館を初めて使用したのは、開館イヤーの1964年10月24日、日本プロレスだった。メインではジャイアント馬場&吉村道明組がゴリラ・モンスーン&マンマウンテン・カノン相手にアジアタッグ王座を防衛。ちなみに第1試合は、大熊熊五郎(元司)vs朴松男(パク・ソンナン)だった。

当時、アントニオ猪木は海外武者修行から凱旋したものの日プロには戻らず、豊登と東京プロレスを旗揚げ。日プロが初使用した3カ月後の1965年1月14日、国際プロレスとの合同興行で初進出。メインでヒロ・マツダと組んでエディ・グラハム&ジョニー・バレンタイン相手にNWA世界タッグ王座の防衛を果たしている。

その後はBI砲が主役だった日プロ時代だが、事件といえばジャイアント馬場がボボ・ブラジルに敗れ、それまで力道山の記録を上回る21連続防衛を続けていたインターナショナル・ヘビー級王座から転落した一戦が挙げられる(1968年6月25日)。

3本勝負でおこなわれたタイトルマッチは1本目が両者リングアウト。決勝ラウンドでは場外戦で痛めつけられダメージが残る王者に襲いかかったブラジルが、アイアンヘッドバット7連発からジャンプ一番、ココバットを決めてカウント3を奪った。3本目、わずか2分半の出来事だった。

ただその2日後(同年6月27日)、東京・蔵前国技館でおこなわれたリターンマッチで王座奪回に成功したが、32文ロケット砲3連発という衝撃のフィニッシュに、名古屋での王座転落はかすんでしまった。

一方、県体においてアントニオ猪木がシングルで初めてメインを務めたのは、ジャック・ブリスコを挑戦者に迎えたユナイテッド・ナショナル選手権試合(1971年8月5日)。大学時代に全米学生王者となり鳴り物入りでプロに転向、のちにNWA世界ヘビー級王座を獲得したブリスコ相手にレスリングで勝負。足殺しに苦しめられながらも2本目にはマットの芸術品といわれたジャーマン・スープレックス・ホールを決めて防衛を果たしている。

日プロ時代に猪木はその後3度、県体のリングに上がり、坂口征二とのコンビ(NWAタッグリーグ戦、猪木&坂口組vsジャック・ダルトン&ジム・ダルトン組=同年10月5日)、アジアタッグ防衛戦(猪木&吉村組vsドリー・ファンクJr&ディック・マードック=同年12月1日)と馬場抜きでメインを務めている。その意味で愛知県体育館は、日プロ時代に猪木がメインイベントに成長する姿を見届けてきた会場といえるだろう。それがのちに、新日本プロレスを旗揚げしてから、東海地区に有力プロモーターを抱えることにつながっていった。

橋爪哲也

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週刊プロレスNo.2362 (2025年7月9日号/6月25日発売) | 週刊プロレス powered by BASE

「週刊プロレス 7月 9日号」お詫びと訂正についてP102の次号予告の発売日が「7月9日(水)発売」となっていますが、正しくは「7月2日(水)発売」です。ご購入された読者の皆様には大変ご迷惑をおかけいたしました。お詫びして訂正をさせていただきます。-------------------------------------------今週号の表紙は朱里を倒し、ついに悲願のIWGP女子王座奪取に成功したSareeeです。スターダム代々木ビッグマッチは札止め大盛況。メインのIWGP女子戦は30分超の大熱戦。ほかにもボジラのサプライズ登場、タッグ選手権ほか注目カード目白押し。巻頭から詳報します。新日本は上半期総決算の大阪城決戦からすぐに新シリーズ開幕。棚橋弘至のファイナルロード、本間朋晃戦がおこなわれた山形大会中心にリポート。ほかにも後藤vsザックのIWGP世界前哨戦、ゲイブvs棚橋のグローバル前哨戦も。また東京五輪・柔道の金メダリストであるウルフ アロンの入団会見の模様も速報の形でお伝え。ほかにもスーパージュニア優勝の藤田晃生インタビュー、開催直前の「TANAHASHI JAM」展望特集もあり。NOAHは大阪で旗揚げ25周年記念大会開催。方舟の伝説的タッグチムーでもある“丸KEN”丸藤&KENTA組を清宮&拳王組が撃破した試合中心にリポート。ほかにもGHCジュニア戦や大阪翌日の名古屋も追跡。新日本退団から1カ月半。ついに始動した内藤哲也&BUSHIのトークライブに潜入。トーク内容は口外厳禁のため触れられませんが、2人の今後について新たな決定事項あり。そのほか全日本・後楽園、DDT新宿、ドラゲー神戸、マリーゴールド後楽園、東京女子・両国、大日本・後楽園など掲載。【注意】発送後の返品・返金は原則不可とさせていただきます。送料は無料ですが、第三種郵便での発送となります。約1週間でのお届けとなります。土日祝日の配送がありません。また、事前に購入されても発売日にお届けすることは、お約束できません。ご了承ください。

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