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2025-06-26

WWWF世界ジュニア王者・藤波辰巳の初防衛戦の舞台にもなった新日本名古屋大会…プロレス歴史街道~愛知県体育館編(2)新日本プロレス時代【週刊プロレス】

1978年4月24日、コロソ・コロセッティの挑戦を退けた藤波辰巳

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BI砲全盛の日本プロレスを見てきた愛知県体育館。しかし1972年、それぞれが独立して団体を旗揚げする。そこから“冷戦時代”と呼ばれることになるが、名古屋のプロレス熱が高かったのは、アントニオ猪木率いる新日本プロレスだった。そこには超満員の観客を動員してきた共同企画の存在が大きい。会場を大いに盛り上げてくれるプロモーターに対し、新日本最後も好カードで応えてきた。(文中敬称略)

新日本プロレスが愛知県体育館に初進出したのは、旗揚げ戦から5カ月後の1972年8月7日。まだ坂口征二らが合流する前で、テレビ放映もされてない時期。メインではアントニオ猪木が豊登と組んで、レオン・バクスター&アーニー・ラシター組を破っている。ちなみに第1試合は、藤波辰巳vsリトル浜田(いずれも当時)。新日本の“県体”の歴史の扉を開いたのは若きドラゴンだった。

当時の新日本は、旗揚げ戦をおこなった東京・大田区体育館や大阪府立体育会館、広島県立体育館を除くと、地方では半数ほどがオープン(屋外)大会。外国人ルートが弱く、これといった目玉カードが組めないなかでの勝負でもあった。

翌1973年3月末に坂口らが合流。若手のデビューもあって陣容が熱くなった新日本。“県体”で初めてタイトルマッチが組まれたのは、1974年9月10日の北米タッグ戦。猪木&坂口のゴールデンコンビがシーク・オブ・シークス・オブ・バクダット&ニコリ・ボルコフ組相手に、反則含みながら2-0のストレート勝ちで防衛を果たしている。

大きな味方になったのが共同企画の存在。現在も愛知、岐阜、三重、京都の1府3県の新日本の興行をプロモート。猪木エース時代には愛知県体育館を常に超満員にしていた。興行を手掛けるだけでなく、橋本真也や天山広吉などの新日本入門にも尽力。また、現時点で唯一となっているナゴヤドーム大会(1997年8月10日)では、新日本より先に会場を押さえた。一時、新日本内部では“売り興行のドーム大会”を考えたものの、興行ギャラの値付けに苦戦。結果的に共催とされたというエピソードも残した。

1978年1月、藤波がニューヨークMSG(マディソン・スクウェア・ガーデン)でカルロス・エストラーダを破って、同年3月にWWWF世界ジュニアヘビー級(当時)王座として凱旋。日本で初めて同王座の防衛戦がおこなわれたのが愛知県体育館だった(1978年4月24日。挑戦者はコロソ・コロセッティ)。ここでも藤波が歴史の1ページに名を記したわけだ。

有力プロモーターに支えられた新日本の愛知県体育館。必ずといっていいほどTV中継され、毎回のようにタイトルマッチが組まれる。リーグ戦が記載されるシリーズでは、優勝の行方を左右する好カードがマッチメークされた。

その一方で事件勃発の地としても記されている。1996年9月16日、グレート小鹿率いる大日本プロレス勢が乗り込んできて、リングジャックしたのだ。

同年6月30日、横浜アリーナで開催された「力道山メモリアル」でザ・マミーが自ら繰り出したダイビング・ヘッドバットで失神するなど、ふがいない試合をするインディーを長州力が批判。小鹿がそれに反論する形で実力行使したもの。結果的に翌年1・4東京ドームで新日本vs大日本の局地的な対抗戦がおこなわれたものの長続きしなかった。

ちなみに、FMWを離れた大仁田厚が単独で新日本マットに乗り込んだ京都府立体育館大会(1998年11月18日)も共同企画がプロモートした大会。いずれも事前にメディア上でにおわされており、注目度が高められた。これも長年地方大会をサポートしてきた共同企画に対する、新日本サイドから恩返しといえるだろう。

橋爪哲也

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週刊プロレスNo.2362 (2025年7月9日号/6月25日発売) | 週刊プロレス powered by BASE

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