WWE「サマースラム」8・2&3アメリカ・ニュージャージー州イーストラザフォード、メットライフスタジアム大会に向けたイヨ・スカイのインタビュー全3回中最終回。第1回は自身が挑戦する女子世界選手権試合への意気込みが中心、第2回は「サマースラム」全体について。最終回は気になることを深掘りしていく。今年の「サマースラム」は史上初の2日間開催と年間最大ビッグマッチ「レッスルマニア」級のスーパーイベントに進化。現時点での決定分カードは以下。試合順や2日と3日のどちらで組まれるかは未定。
▼統一WWE選手権試合◎<王者>ジョン・シーナvsコーディ・ローデス<挑戦者>
※第148代WWE王者防衛戦
▼世界ヘビー級選手権試合◎<王者>グンターvsCMパンク<挑戦者>
※第6代王者防衛戦
▼女子世界選手権試合◎<王者>ナオミvsイヨ・スカイ<挑戦者>vsリア・リプリー<挑戦者>
※第31代王者防衛戦
▼WWE女子選手権試合◎<王者>ティファニー・ストラットンvsジェイド・カーギル<挑戦者>
※第30代王者防衛戦
▼インターコンチネンタル選手権試合◎<王者>ドミニク・ミステリオvsAJスタイルズ<挑戦者>
※第188代王者防衛戦
▼ユナイテッド・ステーツ選手権試合◎<王者>ソロ・シコアvsジェイコブ・ファトゥ<挑戦者>
※第184代王者防衛戦
▼女子インターコンチネンタル選手権試合ノーDQマッチ◎<王者>ベッキー・リンチvsライラ・ヴァルキュリア<挑戦者>
※第2代王者防衛戦。ライラ敗戦の場合、ベッキー王者の間は女子IC王座挑戦権を永遠に失う
▼WWE女子タッグ選手権試合◎<王者組>ラケル・ロドリゲス&ロクサーヌ・ペレスvsシャーロット・フレアー&アレクサ・ブリス<挑戦者組>
※第32代王者組防衛戦
▼ランディ・オートン&ジェリー・ロールvsドリュー・マッキンタイア&ローガン・ポール
大会の模様はインターネットTV「ABEMA」にて日本時間3日(日)午前7時より日本語実況解説つきでPPV中継。翌4日(月)含めて4000円で両日ともに視聴できる破格の価格設定となっている。(C)2025 WWE, Inc. All Rights Reserved.
――リア・リプリー選手とはシングルで5回対戦して、3勝2分と一度も負けていません。なぜ負けないのでしょうか?
イヨ 自分でも不思議です。相性なんでしょうね。彼女にとって私が苦手な相手。彼女はパワーがすごいし、青く燃える炎みたいな人。怒った時の眼光がすごい、すさまじい。あの目でギラってにらまれた時って。みんなはあんまりにらまれることはないと思うけど、私は何度もその目を見てる。でも、そこが逆にチャンス。彼女はパワーがあるからこそ我を忘れて力で振り切ろうとする時がある。そこを勝機だと思って、長年の経験でそのあたりで旋盤をひっくり返して、違う戦略で攻めたりします。あとは仲が良すぎるっていうのもあるのかな。
――リア選手はイヨ選手と闘うと楽しそうです。
イヨ 闘いを通してお互いをリスペクトし合っていくからこそ相思相愛になっていってるので。リアにとって私が強い相手であることが彼女にとってリスペクトを得られる部分。もちろん彼女が強いのは私も世界中のみんなもわかってることなので。そこは私もリスペクとしてます。
――トリプルスレットに臨む際にどこに重きを置いていますか?
イヨ 私はトリプルスレットが得意でリア・リプリーが苦手なんですよね。トリプルスレットだけじゃなくて、タッグマッチにも言えることなんですけど、シングルマッチが得意な選手とタッグマッチが得意な選手がいる。要するに複数の人間を相手にすることが得意なのか、1対1が得意なのか。私は複数人と闘うのが得意。トリプルスレットならでは試合運びとかも自分で何個かアイディアがある。経験もあるし。日本人ならでは、日本のプロレススタイルっていうのがWWEのリングでも生きてるなって自信を持って言えますね。
――ナオミの現在のキャラクターについてどう思いますか?
イヨ すごいですよ。女って怖いなって思います。ナオミは何をやっても様になるというか。あんなに可愛くて踊ってイエーイ!って入場してたナオミがあんな怖い高笑いになっちゃって。でも、どっちのナオミでも違和感がないっていうのはすごい。吹っ切れてる感じがします。
――そんなナオミ選手との対戦です。
イヨ あのナオミのおどろおどろしい空気に飲み込まれないようにしないと。そこは気をつけたいと思います。特にさっきも言ったんですけど、イヨ・スカイに対する明るくポジティブな応援の雰囲気があるので。そこをナオミに飲み込まれてしまったら、せっかくのイヨ・スカイの勢いが飲まれてしまうと思ってるので。それだけはやっちゃっいけない。イヨ・スカイのパワーでポジティブにアホみたいにニコニコして乗り切ろうと思います。
――現在のイヨ・スカイの明るいキャラクターはどうやって築いたのでしょうか?
イヨ 自分で狙ってやったわけじゃないです。これはイヨ・スカイとしてしゃべるというよりは、一人のプロレスラーとしてWWEで生き抜く中でどう自己プロデュースしたのかって話になります。WWEスーパースターはセクシーだったり、カワイイ、キレイって方がすごく多い。リア・リプリーは強い、カッコイイ、キレイ、セクシー。リヴ・モーガンはカワイイ、セクシー。ジェイド・カーギルはカッコイイ。ビアンカ・ベレアはカワイイし、ムキムキで。
それを見回した時に、ヒールの時はクールにいかなきゃいけなかったけど、クールって枠じゃリア・リプリーとかに勝てるわけないなって自分で気づいてて。キレイもカワイイも無理だなって。そこでは勝負しづらいって時に自分の持ち味、自分にしかないものってなんだろうって思った時に試合をしてる時に誰よりも自分が楽しんでるなって。試合中に笑う選手ってあんまりいないなって。でも、私は試合中にメチャクチャ笑ってるんです。それって狙ってやってたわけじゃなくて、気づいたら本当に楽しくて笑ってて。これってすごく大事なことだなって。
――なるほど。
イヨ 自分が生まれ持ってて、プロレスを通して持ってる感情なんで。これをもっと育てなきゃいけないなって思って、自分は楽しいにフォーカスしていこうって思って、試合中もっともっと笑うようになった。ずっと笑ってたらバカみたいだから、笑うだけじゃなくて、悲しい時には思いっきり悲しんで。喜怒哀楽にメリハリをつけて伝えようと思った。というのも、私は英語がそんなに得意じゃない。自分の感情を言葉ではお客さんに伝えられない。そしたら表情とかゼスチャーで伝える必要があって、なおかつ楽しいって気持ちを押し出していった時にお客さんとの空気感がマッチして、レッスルマニアの直前にリア・リプリーとチャンピオンシップをやって勝った瞬間、そこで驚きと嬉しいって感情をリング上でタイトルを抱えながら爆発させた時に、お客さん全部がその空気に染まってくれた。そこから自分はこれでいいんだって思ったんで。試合中、お客さんと一緒に楽しむ。それでニコニコしてるイヨ・スカイが出てきましたね。
――ビアンカとリアに蚊帳の外にされているイヨ・スカイをお客さんが楽しむという場面もありました。
イヨ 私もそれまでは闘いを見せているわけで、クールな面というか、やってやるぞ!みたいな闘志を見せようと思ってたんですけど、その頃からそこに固執しなくてもいいんだ、楽しんでもいいんだ、自分が楽しむことでお客さんも楽しんでくれてるんだってことをわかりました。そうすることで小さいお子さんとか女の子のファンが増えました。
――試合中の両手を左右に振りながら自分を指差すゼスチャーはどうやって生まれたのですか?
イヨ (お笑いコンビ・タカアンドトシの)“オレだ! オレだ! オレだ!”ですね。自分を見て! やったよ!みたいな。実際にリングでやってる時に、タカアンドトシみたいだなって(笑)。自然発生的に出てきましたね。やってみたら、反応が来るようになって、じゃあ、やっていこうって思いました。今では鉄板になりました。
――RAWで2度ステファニー・バッケル選手とシングルで対戦しましたが、どちらも消化不良決着。「サマースラム」8・2&3で女子世界王者になれば「クラッシュ・イン・パリ」8・31フランス・パリで挑戦を受けることになります。
イヨ すごい選手。技術もあるし、見た目も華やか、お客さんの支持も熱い。メキシコで有名な選手だけあってラテン系のお客さんからの支持が熱い。やってて面白い選手ではありますね。
――スタイル的に似ています。かみ合っていけばブランドになりそうなマッチアップです。
イヨ まだ伸びしろがあるカードだなって自分でもやってて思いました。試合結果的にもぶち壊されてるので。純粋な一騎打ちんになったら、どっちが勝つかわからない。私もルチャを学んだ人間なので、彼女とやることで、ルチャの引き出しが開かれたりするんで。
――最後にどうしても聞きたかったのですが、レッスルマニアの試合後に“ストーンコールド”スティーブ・オースチンからどんな言葉を掛けられたのですか?
イヨ とにかく「クソすごかったぜ!」みたいなことを書いちゃいけない言葉で言われました(笑)。優しくハグしてくれて耳元で私だけに本当にすごかったって感情を伝えてくれました(笑)。嬉しかったです。
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