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2025-08-08

【陸上】広島インターハイ・東京学館新潟高の佐藤克樹が200m2位 U20日本選手権では連覇を狙う

広島インターハイ男子200mで2位の佐藤。秋のU20日本選手権では連覇を狙う(写真/宮原和也)

7月25日から5日間、広島広域公園陸上競技場で行われたインターハイの陸上競技。3組タイムレースで行われた男子200m決勝。1組で1着の清水空跳(星稜高2年・石川)が20秒39(+2.7)で優勝を果たし、3組で1着の佐藤克樹(東京学館新潟高3年・新潟)が20秒72(+2.3)で2位に続いた。

チームメイトの分も駆け抜けたインターハイ

佐藤は昨夏の福岡インターハイで、20秒76の自己新をマークして2位。3年生になった今季は、優勝だけを目指してきたが、なかなか20秒台を出せずにいた。6月の北信越大会は、清水と0秒24差の2位。7月初旬には日本選手権でシニアの選手たちと戦ったが、予備予選で21秒08(-1.0)と、次のラウンドに進むことができず。「インターハイ前、最後の大会だったので、20秒台を出しておきたかった」と残念がった。このレースで後半に失速したことから、インターハイまでの3週間は「東京学館新潟の夏の練習にしては珍しく、300mなどの長い距離を多めに走り込んできました」と、体力強化に励んだ。

迎えた広島インターハイ。予選を今季初の20秒台となる20秒99(-0.9)で通過。決勝では先に清水が好記録を出したのを見て、「意識しないようにと思っても、あのタイムを出されると、やはり意識してしまいました」というが、あきらめずに、この1年のすべてを20秒間にぶつけた。結果的に頂点には届かなかったが、「全力を出し切れたので、悔いはありません。思い描いていた走りができたし、今季で一番良いレースだったと思います」と、清々しい表情を浮かべていた。

振り返ると、新潟県大会の4×400mリレーでは、チームが7位で落選。走らなかった佐藤は、号泣する仲間たちの姿を沈痛な面持ちでじっと見つめていた。北信越大会では、福岡インターハイで女子200mを制した同級生の秋澤理沙が、ケガの影響で出場を断念。広島に入ってからも、佐藤が1走を務めた4×100mリレーの予選で、アンカーの松本塁(3年)がフィニッシュ後に他校の選手と接触して転倒し、搬送される事態に。決勝は急遽、下級生をアンカーに起用したが、バトンミスで失格となり、狙っていた上位入賞は果たせなかった。ラウンドを重ねて勝ち上がっていくなかで、さまざまな出来事に直面するのがインターハイ路線であることを、まざまざと感じた佐藤。「4継は3年生4人で決勝を走ることができなかったけど、失敗も覚悟で、最初で最後の攻めのバトンパスができた。良い思い出です」と微笑んだ。

夢や目標がかなわなかったチームメイトの分まで駆け抜けた最後のインターハイが終わると、秋の全国大会が待っている。9月28日に行われるU20日本選手権の200mでは、「2連覇を目指したい」とタイトル獲得にこだわる。

文/石井安里 写真/宮原和也

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