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2018-07-06

ロシア・ワールドカップ2018 ――ゴール傾向分析③―― 後半立ち上がりに注目!

※上の写真=アルゼンチン戦でゴールを決めたキリアン・エムバペ(写真/gettyimages)

 日本代表はベルギーを追い込みながらも、ベスト16でロシア・ワールドカップ姿を消すことになった。とは言え、残り8カ国による熱戦も見どころ満載だ。ベスト4をかけた戦いが始まる前にこれまでに生まれた全146ゴールの傾向をおさらいしておこう。【サッカークリニック編集部】

ロシア・ワールドカップのグループリーグ3巡目の得点パターン(BBM)

グループステージにおけるPKとオウン・ゴールの数

・PK        :18(7-6-5)
・オウン・ゴール   :9(4-1-4)
※カッコ内は左から1巡目、2巡目、3巡目

グループステージにおけるPKとオウン・ゴールを除く95ゴールの内訳①

・ペナルティーエリア内    :81(85%)
・ペナルティーエリア外    :14(15%)

決勝トーナメント1回戦におけるPKとオウン・ゴールの数

・PK        :3
・オウン・ゴール   :1

決勝トーナメント1回戦における
PKとオウン・ゴールを除く20ゴールの内訳①

・ペナルティーエリア内    :15(75%)
・ペナルティーエリア外    :5(25%)

ロシア・ワールドカップの決勝トーナメント1回戦の得点パターン(BBM)

グループステージにおけるPKとオウン・ゴールを除く95ゴールの内訳②

・ヘディングを含めた1タッチ  :59(62%)
※足での1タッチ        :42(44%)
※ヘディング          :17(18%)
・2タッチ           :15(16%)
・3タッチ以上         :16(17%)
・直接FK             :5(5%)

決勝トーナメント1回戦における
PKとオウン・ゴールを除く20ゴールの内訳②

・ヘディングを含めた1タッチ  :16(80%)
※足での1タッチ        :10(50%)
※ヘディング          :6(30%)
・2タッチ           :2(10%)
・3タッチ以上         :2(10%)
・直接FK            :0(0%)

  グループステージと決勝トーナメントを比較した場合、以下のことがうかがえる。
①ペナルティーエリア内での得点率が低下
②1タッチでの得点率が増加
 決勝トーナメントは母集団がグループステージより少ないため、誤差が出やすいとも言える。しかし、ペナルティーエリア内での得点割合が10%(85%→75%)も下がり、1タッチでのゴールが18%(62%→80%)も増加している背景には理由があるだろう。例えば、「決勝トーナメントまで勝ち上がったチームは守備組織がしっかりしているため、ペナルティーエリア内に入ることが難しくなっている。そのため、ペナルティーエリア外からのシュートに活路を見いだすことになる(①)。また、ペナルティーエリア外からでもゴールを仕留める技術を持った選手がいるチームが勝ち上がる(②)」という仮説も成り立つ。強固な守備組織を持つチームが勝ち上がっている、それは2タッチ(16%→10%)、3タッチ(17%→10%)での得点の割合が低下していることからもうかがえる。

時間帯別のゴール分布①(15分きざみ=グループステージ)

黄色は1巡目、緑は2巡目、オレンジは3巡目。最上段の数字は割合(BBM)

時間帯別のゴール分布①(15分きざみ=決勝トーナメント1回戦)

ベンジャマン・パバールはアルゼンチンとの試合で目の覚めるようなミドルシュートをたたき込んだ(写真=gettyimages)

前後半のゴール分布(決勝トーナメント1回戦までの全146ゴール)

  ゴールの生まれやすい時間帯として前後半の立ち上がりと終盤ということがよく言われる。データからもそうした傾向がうかがえる。もっとも、前後半のゴール分布は均等ではない。半数以上の92得点、63%以上が後半に生まれているのだ。しかも、『ゴールデン・タイム』と呼ぶべき時間帯がある。それは、後半の立ち上がりとなる「46分~60分」。グループステージ(24点)、そして決勝トーナメント(7点)でも最多のゴールが生まれている。
 果たして、準々決勝、準決勝、そして決勝ではどのようなゴールがどのような時間帯に生まれるのか? データは「46分~60分にペナルティーエリア内で1タッチのゴールが生まれる」と言っているのだが……。

乾貴士の見事なミドルシュートが決まったのも『ゴールデン・タイム』の52分だった

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