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2025-09-23

【アメフト】富士フイルム海老名、X1スーパーで初勝利 シルバースターを破る

【富士フイルム海老名vsシルバースター】2Q、富士フイルムはOL市川主将(#66)のリードブロックでQBコルデイロがランTDを奪う=撮影:小座野容斉

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アメリカンフットボールの国内最高峰・Xリーグの「X1 スーパー」は、第2節の6試合があり、富士フイルム海老名ミネルヴァAFCが、オリエンタルバイオ シルバースターを破って、X1スーパー昇格2年目で初勝利を挙げた。

X1スーパー第2節
富士フイルム海老名ミネルヴァAFC○29-13●オリエンタルバイオ シルバースター
(2025年09月14日@海老名運動公園陸上競技場)

 富士フイルム海老名は、前半、3回連続でシルバースターからターンオーバーでボールを奪った。そのオフェンスを、K大野郁哉のFG(フィールドゴール)、QBシェバン・コルデイロのランTD(タッチダウン)で得点とした。シルバースターも先発したQB佐々木康成が不調だったが、代わったドノバン・アイソムのパスTDなどで、一時は6点差まで追い上げた。しかし、富士フイルム海老名は、前半残りゼロ秒で大野が4本目のFGを決めて、19-10で折り返した。

 後半開始のドライブで、富士フイルム海老名はゴール前8ヤードまで攻め込んだが、TDを奪えず大野のFGで加点。しかし、シルバースターは、P赤津裕之が4thダウンのフェイクパントから19ヤードを走って攻め込むと、K梅垣光理のFGで再び9点差とした。第4クオーター、富士フイルムは、QBコルデイロのランで、この試合2本目のTDを挙げ、16点差に。この後のシルバースターの攻撃をしのいで勝ち切った。

K大野、5回のFGトライをすべて成功

 富士フイルム海老名が、待望のX1スーパー初勝利を地元・海老名のファンの前で挙げた。シルバースターに勝ったのは2019年9月以来で、チーム史上2回目となった。前回は14-13の1点差の勝利だったが、今回は2ポゼッション差をつけた。

 富士フイルム海老名は、着々と力を伸ばしている。選手層が厚くなり、大型でフィジカルな若い選手が増えた。米国人選手も活躍している。それでも、ライスボウル3回優勝の名門チーム、シルバースターの底力の前に、何度も屈してきた。昨年秋は17-24で敗れたが、4回のターンオーバーで自滅だった。今年5月の交流戦では、前半で10-0リードしながら、後半にオフェンスが進まずに逆転負けした。

 勝ち切れないチームに勝利をもたらしたのは、Kの大野だ。最長47ヤードを含む5回のFGトライをすべて成功させ。リードを着々と広げた。キックオフでも、低い弾道のライナーでエンドゾーンに蹴り込んでタッチバックとして、ゲームの変数を一つ消した。

 サッカーのゴールキーパーから転向して3年目。昨シーズンのXリーグ最長53ヤードFGを決めるなど、キック力には定評があったが、短い距離を外すことも度々だった。大野に、この日の確実性が常時備われば、富士フイルム海老名のフットボールは一段と安定する。

富士フイルム海老名、課題はパスオフェンス

 富士フイルム海老名の課題は、パスオフェンスだ。QBコルデイロはランで2TDを決めたが、パスは7/19で成功率37%、117ヤードにとどまった。レシーバーの落球が目に付いた。パスが決まっていれば、試合はもっと大差になっていた。

 米国のカレッジフットボールでは、通算1万ヤードを超すパスを決めてきたコルデイロだが、 ほぼ毎日練習ができたカレッジ時代とは違い、Xリーグの練習は週2日が基本だ。練習時間が限られる中、QBとレシーバー陣の意思疎通やコンビネーションをどのように向上させるのか。今季2勝目には不可欠となってくる。

【小座野容斉】

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