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2025-12-09

【陸上】2026 Close UP!T&F 女子ハンマー投で門野紗瑛、河戸咲希が高2歴代5傑入り

9月、10月と秋にも記録を伸ばした門野(左)と河戸(右)。冬期練習を経て、さらなる記録更新に期待が懸かる(写真/中野英聡)

2025年のトラック&フィールドシーズンが終了。秋にも各地から好記録の知らせが届いた。そのなかから、来季に向けて、注目の種目や選手を紹介。“どこよりも早い⁉” 2026年T&Fシーズン展望をお届けする。第一弾は、秋に高2歴代トップ5入りの記録がマークされ、62m88の高校記録の更新も期待される女子ハンマー投。

広島インターハイでは3人の2年生が入賞

2017年にインターハイ種目に加わって以降、年々、レベルが上がる女子ハンマー投は、今季も高2歴代トップ5に入る好記録が誕生した。

10月下旬の大阪高校地区別秋季競技会(第2地区)では、門野紗瑛(咲くやこの花高2年)が高校歴代11位、高2歴代2位の55m66をマークした。「技術と記録がうまく重なり、トップ8に入ってから2投連続で55mを超えることができて、本当にうれしかったです」と門野。インターハイ路線は近畿大会で12位にとどまり、全国に進めず。その後の大会でも記録なしが続き、「乗り越える壁が大きいシーズンでした」と振り返る。9月のU20日本選手権、10月のU18大会では共に4位に入賞したが、「狙った大会で狙いどおりの順位、記録を出せなかった」と悔しさも残った。それでも、技術が安定しなかったなかで、シーズン終盤に自己記録を更新できたことは自信になったという。

来季に向けては、「どんな試合でも安定した投げができるように」、技術を高めていく。U20の国際大会への出場を視野に入れ、記録的には村上来花(弘前実高・青森、現・九州共立大4年)の持つ高校記録(62m88)を超える64mを目指す。

河戸咲希(名古屋大谷高2年・愛知)は、広島インターハイで2位。最後に長谷川有(花園高3年・京都)に逆転を許し、「実力不足だったと思うし、不完全燃焼でした」と残念がった。しかしその後は、9月初旬の県高校新人名南支部予選で高校歴代13位、高2歴代4位の55m56と自己記録を更新した。U20日本選手権では、高校生最上位の3位に入賞。昼前に競技を終えると、大会が行われた静岡からすぐ愛知に移動。16時から県高校新人に出場し、セカンドベストの55m02をマークした。

「持ち味はスピード」と自己分析する河戸。日頃から、「限界をつくりたくない。行けるところまで行きたい」と、記録の目標は立てずに試合に臨んでいる。U18大会では3回ファウルで記録なしに終わったが、アベレージは高い。今後も自分自身と向き合いながら、挑戦を続けていく。

インターハイ、U18大会で入賞を果たした2年生。左から小島、坂口、植原、横山(写真/中野英聡)
インターハイ、U18大会で入賞を果たした2年生。左から大谷、坂口、植原、横山(写真/中野英聡)

52m03の自己記録を持つ横山由夏(玉野光南高・岡山)、インターハイ7・8位の植原楓(四学香川西高・香川)、坂口はな(鹿児島南高・鹿児島)、U18大会で3位の大谷璃央(大和広陵高・奈良)ら、2年生には有力選手がそろう。冬期を越え、各選手がどんな成長を見せるのか、来季が待ち遠しい。

文/石井安里 写真/中野英聡

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