close

2025-12-15

【陸上】2026 Close UP!T&F 女子三段跳の大西海優が今季高1最高記録を44cm更新 来季は高校記録の更新を狙う

大西はインターハイで女子三段跳史上初の1年生メダリストに。高1最高記録を44cmも更新し、「成長した1年」と振り返った(写真/髙野 徹)

2025年のトラック&フィールドシーズンが終了。今季、秋以降にも各地から好記録の知らせが届いた。そのなかから、来季に向けて、注目の種目や選手を紹介。“どこよりも早い⁉” 2026年T&Fシーズン展望をお届けする。第五弾は、女子三段跳でインターハイ初の1年生メダリストとなった大西海優(新居浜東高1年・愛媛)を紹介する。

成長できた1年「来年は誰にも負けない選手に」

女子三段跳の大西海優(新居浜東高1年・愛媛)が、快進撃を続けたシーズンだった。6月の四国大会で12m47(+1.8)を跳んで、当時の高1最高記録(12m34)を塗り替えると、8位入賞を目指した7月の広島インターハイで3位。2017年にこの種目がインターハイで実施されるようになって初めて、1年生でのメダル獲得を成し遂げた。

目標を達成し、結果には満足した大西だが、自身の思い描く跳躍はできなかった。「このままでは駄目だと思った」と、インターハイ後に助走の入りとホップの跳び方を改善。四国大会の後から指導を受けていた、高知農高の小松隆志先生にも再びアドバイスをもらい、徐々に技術面がかみ合ってきたという。

9月中旬の県高校新人では、無風のなか、12m50と記録を更新。さらに、2週間後のU20日本選手権では、最終跳躍で12m70(+1.6)をマーク。「踏み切ったときにホップが浮いた感覚があって、次のステップも自然と前に進みました」という会心の跳躍で、大学生を抑えて逆転優勝を果たした。

10月には、U18大会に出場。岡島奏音(皇學館高3年・三重)とのシーソーゲームの末に2位で終え、「負けてしまって悔しい」と、シーズン最後の全国大会で初めて悔しさを口にした。それでも、12m78(+0.1)のビッグジャンプ。従来の高1最高記録を4カ月間で44cmも引き上げ、「成長できた年でした」と振り返った。

新居浜東中時代のメイン種目は走幅跳で、全国3位の実績がある。三段跳は2年時の秋から始め、すぐに10月のU16大会で3位に入賞。3年時には同大会を制し、全国初タイトルを獲得した。現在も両種目に取り組んでおり、今季は走幅跳でも10月の国民スポーツ大会で5m84と自己記録を更新し、少年Bで2位に入った。

中学時代は一緒に練習する陸上部員がいなかったが、「新居浜東高校は、競い合う仲間がおってすごく楽しい」と笑う。ピットを離れるとおっとりしているが、競技面では負けず嫌いだという大西。「来年は誰にも負けないような選手になりたい」と、高校記録(13m03)の更新を目標に掲げた。

文/石井安里 写真/髙野 徹

PICK UP注目の記事

PICK UP注目の記事



RELATED関連する記事