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2026-04-01

【陸上】Hondaに43年ぶりの短距離選手、栁田大輝が加入! F1好き“世界を目指す”に共鳴、9秒82とロス五輪100mファイナルへ

栁田とHondaの小川智監督(左)、東洋大の土江寛裕コーチ(右)

この春、東洋大を卒業し、Hondaに入社するパリ五輪、東京世界選手権代表の栁田大輝が3月31日に取材会を実施し、練習を公開した。

「小川智監督の“世界を目指す”という言葉が刺さったことがHondaを選んだ一番の理由です。そしてHondaは誰もが知る車の会社で、自分はF1も好きですし、速く走るというところで陸上とも通じていると思います。今後の目標はアジア記録9秒83の更新で、9秒82を目指します」

このように入社理由を語った栁田。Hondaにとっては43年ぶりの短距離選手の加入となるが、小川監督は「数年前から水面下で長距離種目以外の競技拡大を考え、企業イメージやポテンシャル、世界を目指すという私たちの方向性に合う選手を模索してきました。栁田選手は世界を目指す決意が固く、我々の方向性ともマッチしていましたので、こちらからお声がけし、今回、こういった決断になりました」と相思相愛だったことを明かし、最高のマッチングだと強調した。栁田は今後も引き続き、東洋大を拠点とし、同大の土江寛裕コーチの指導を受ける。

栁田は東農大二高(群馬)3年時の東京五輪で4×100mリレーの補欠に選出。東洋大に進んでからは毎年、世界大会で日の丸のユニフォームをまといつづけてきた。順調に力を伸ばし、日本を代表するスプリンターへと成長したが、2024年のパリ五輪、25年の東京世界選手権はリレーメンバーには入ったものの、ともに100mでの出場は逃している。土江コーチはこの4年間を振り返りつつ、これからの抱負を次のように語る。

「実力はついてきていますが、大事なところで結果を残せず、どちらかというと悔しい思いを多くしてきています。また一緒にチャレンジできる環境をいただいたので、1年1年やりきってロサンゼルス五輪の100mでファイナルを目指します」

土江コーチは大学での4年間、栁田の持ち味であるストライドの広いダイナミックな走りにピッチを加えていく指導を行ってきたと話す。

昨年8月のAthlete Night Games in FUKUI予選では追い風3.3mで参考記録となったが9秒92をマークし、「あの走りが今の時点での完成形。うまく噛み合えば9秒9台の前半、日本記録以上は出せると思っています」とその成長に大きな手応えを得た。今後は筋力強化を進め、ピッチの獲得のためにわずかに犠牲にしてきたストライドを取り戻すことを目指す方針で、この冬もこれまで週2回だったウェイトトレーニングを週3回に増やすなど、その取り組みはすでに始まっている。

「今後はエンジンの部分を大きくし、その大きなエンジンをどう生かしていくかという作業をしていきます」と土江コーチ。また栁田も「毎年自己ベスト出せるわけではないスポーツなので、壁もあるかもしれませんが、そんなときでも腐らずに、新しい取り組みをチャレンジしていきます」と力強く先を見据える。

小川監督は「これまでHondaの長距離は日本代表として世界には出ていますが、入賞やメダルには届いていません。栁田選手は(オレゴン世界選手権と東京世界選手権の4×100mリレーで)入賞したり、ポテンシャルのある選手です。チーム内でそういった選手がいることで大きな刺激となるはず」と長距離陣への好影響も期待する。

今季のチームスローガンは「Honda PRIDE」。モータースポーツを中心に企業文化としてレースマインドがベースにあるHondaにとって、世界で戦うことを目指すのは当然の使命であり、そこに強い意志とプライドをもって挑戦していく思いが込められている。栁田もその輪に加わり、アジア記録の更新、そしてロサンゼルス五輪100mファイナルという大きな目標に向かって走り出す。

引き続き拠点とする東洋大で練習を公開
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文/加藤康博 写真/中嶋 聖

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