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2020-09-18

【相撲編集部が選ぶ秋場所6日目の一番】 貴景勝(突き出し)照強

ただ1人全勝だった阿武咲が千代大龍に敗れて初黒星。正代が元大関栃ノ心を圧倒して1敗を守り、朝乃山が3連勝で星を五分に戻して結びの一番を迎えた。

※写真上=結びの一番で難なく照強を突き出し、1敗を守った貴景勝
写真:月刊相撲

 貴景勝は3日目の北勝富士戦で攻め込みながらも引いて墓穴を掘ったが、あとは前に出る力強い相撲を見せている。先場所は左ヒザのケガで途中休場したが、影響はなさそう。「9月を万全の状態で迎えられるように休場した」と場所前に語っていたが、いい選択だったのかもしれない。

 この日の相手は小兵の照強。時間いっぱいとなり、照強が突っかけて貴景勝は“待った”。照強に突っ込まれても貴景勝は一歩も下がらず、にらみつける。これにはやんちゃな照強も「すみません」という感じだったが、これも作戦だったか。2回目は照強が右に変化。しかし、これを読んでいた貴景勝は慌てず相手をよく見て突き立て、突き出した。

 今場所も先場所同様にリモート取材だが、貴景勝は一度も取材に応じず、口を開いていない。先場所はケガもあって、勝ち越すまでは取材拒否だったのだが、今場所は婚約者のことを聞かれるのが嫌なのだろうか。

 場所前、元大関北天佑の二女・千葉有希奈さん(28歳)と婚約したことを発表した。元北天佑の二十山親方が腎臓癌のため45歳の若さで亡くなったのは14年前。告別式で泣きじゃくっていた有希奈さんの姿が思い出される。余計な話だが、有希奈さんの実家は旧二十山部屋。まだ相撲部屋としての形は残してあるそうで、将来独立したときに建物の心配はない。

 ともかく、人生の伴侶を得て、今場所は特別な思いで臨んでいる貴景勝。場所前、「地位が地位だけに優勝しないと」と語っており、有言実行となるか。

文=山口亜土

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