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2026-05-20

【相撲編集部が選ぶ夏場所11日目の一番】霧島が若隆景との2敗対決を制して連続優勝へ一歩前進

霧島は立ち合いで距離を取り、そのあと二本入って起こすという落ち着いた攻めで若隆景との2敗対決を制し、トップをキープ。連続優勝へ、一歩前進した

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霧島(寄り切り)若隆景

しっかりと、起こして攻めた。

大関霧島が、目下の優勝争いの最大の敵である若隆景との2敗対決を制し、この日勝った琴栄峰、翔猿とともにトップグループを堅持、連続優勝へ一歩前進した。
 
この霧島と若隆景の対戦は、焦点はほぼ一つだけ。若隆景が相手より一段低く組み、頭をつけて下から攻める、あるいはおっつけを利かせたり前ミツを取って横から攻める、そういう体勢をつくれるかどうか。同じ高さで組むことができれば、勝負は霧島に傾く。
 
若隆景に食いつかせない、ということを考えたのだろう、この日は霧島の立ち合いがうまくハマった。まずは右ヒジを固めてハジき、若隆景の左の廻しを阻止。左は少し遅れて突き、右差しも阻止した。
 
若隆景は右からイナして横に回ろうとするが、霧島はなお右の突きで相手の上体を起こすと、左から右と入ってモロ差し。右下手を取った。若隆景は左上手を取り、右からおっつけながら、それでも頭をつけようとし、二本差している霧島のほうが、少し窮屈な体勢となった。
 
それでも霧島は落ち着いていた。辛抱して左を深く差しながら相手を起こすと、右ヒジを張り、腰を振って相手の上手を切る。そうして万全の形をつくってから前に出て、しっかりと寄り切った。
 
負ければ優勝争いから大きく後退することになる一番で、この落ち着き。大関の貫録を示したともいえ、先場所の優勝で得た自信が漂ってくるようだ。

「よくなかった。もっと集中して、またあした、しっかり自分の相撲を取っていきたいと思います」と、この一番を振り返ったのは若隆景。これで優勝争いからは一歩後退、義ノ富士、豪ノ山、伯乃冨士、宇良、藤凌駕とともに1差でトップグループを追うことになったが、トップグループは霧島以外は平幕下位の2人、霧島もまだ大関・関脇戦を残すので、チャンスはまだ残っている。まずはあすの豪ノ山との3敗対決をしっかり取っていきたい。
 
優勝争いは、これでまた、霧島が少し優位な形になったと言えようか。並びの琴栄峰と翔猿は平幕下位で、まだ上位とは全く戦っておらず、もちろん可能性はないとは言えないが、このあとほとんど星を崩さずいくのは至難の業だ。
 
霧島は、あす、少し早めに琴勝峰戦が組まれた。となると、残り3日は順当なら熱海富士、そしてその時点で最も成績のいい平幕力士、最後は琴櫻という感じか。もちろん強敵ばかりだが、あとは一戦一戦、しっかり戦って勝っていけば、連続優勝に手が届く可能性は高い。霧島が誰かに食われたときには、3敗勢で上位戦の終わっている義ノ富士と、あすの若隆景-豪ノ山戦の勝者が浮上してくることになる。
 
なおこの日、きのうまで7敗を喫していた大関琴櫻が正代に送り出されてついに負け越し。来場所はカド番で迎えることになった。あくまで見た印象だが、もともと足が長くて腰高タイプの力士とはいえ、どうも取組途中で腰が浮く体勢になってしまうことが多いように感じる。もうひと腰落とした、大関らしい攻守を、何とか取り戻してほしいところだ。

文=藤本泰祐

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