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2020-01-17

相撲編集部が選ぶ初場所6日目の一番 豊山(押し出し)輝

6日目の1月17日は25年前、阪神・淡路大震災が起きた日。あの日に淡路島で生まれた照強が勝って6連勝したなら、取り上げていたのだが、硬くなったようだ。あっさりと敗れてしまったので、前半戦の熱戦だった豊山-輝戦を今日の一番にした。

※写真上=子どものころから知る同年代で全勝の輝を破り、優勝争いに残った豊山
写真:月刊相撲

 輝はここまで5連勝。守勢に回るともろいが、今場所はよく足が出て、攻めに徹している。豊山も4勝1敗と好調で、ヒザのサポーターも取れ、場所ごとに体調がよくなっている。

 立ち合いから攻めたのは豊山。左からおっつけ、右ノド輪で土俵際まで押し込んだが、輝に右を深く差され、左も差されて後退。しかし、ここから豊山が粘り、右からおっつけて頭をつけ、右を差し込んで逆襲。最後は力強く左で輝の胸を押して押し出した。

 豊山は、「いつもだったら抱え込んでしまって、完全に負けパターンだったけど、負けたくない一心で我慢して残しました」。

 豊山が一学年上で新潟県出身、輝は石川県出身。2人は小学生から相撲を始めていたので、「子どものころから知っているし、同年代なので負けたくないんですよ」と豊山。全勝のライバルに土をつけ、自身も優勝争いに残った。2月には結婚披露宴も控えているだけに、好成績を残したいところだ。

「今場所は(優勝争いが)どうなるかわからないし、面白くしたいですね。全勝の兄弟子(正代)についていくだけです」と上機嫌で支度部屋をあとにした。

 6日目を終えて全勝は平幕の正代ただ1人。1敗で貴景勝、遠藤、豊山、輝、照強、德勝龍が追う展開。番付上位の大関貴景勝が有力も、優勝ラインは12勝ぐらいになりそうで、朝乃山ら2敗力士にもチャンスはあるだろう。

文=山口亜土

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