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2019-11-21

【相撲編集部が選ぶ九州場所12日目の一番】 御嶽海(寄り切り)朝乃山

本日の注目は関脇御嶽海と小結朝乃山の一番。どちらが勝っても、今日の一番に選ぼうと思っていた。

※写真上=次の大関候補同士の激突は、御嶽海が意地を見せ朝乃山を寄り切った
写真:月刊相撲

 11日目を終えて朝乃山は9勝2敗、大関取りの場所だった御嶽海は5勝6敗と黒星が先行。親方衆の多くが「次の大関は御嶽海ではなく朝乃山」とコメントしていた。

 御嶽海が意地を見せるのか、朝乃山が次期大関候補ナンバー1の地位を確立させるのか。これまでの対戦は御嶽海の2勝1敗。朝乃山が優勝した夏場所では千秋楽、トランプ米大統領の前で御嶽海が快勝している。

 軍配が返り、激しく当たり合った両者。朝乃山は得意の左上手をつかんだが、御嶽海の出足がよく後退。御嶽海は左も差し込んでモロ差しとなり、左右のカイナを返して寄り立てる。なおも休まず圧力をかけ続けると、朝乃山の左上手が切れた。朝乃山は相手のサガリをつかんで残そうとするが、棒立ちとなっては残す腰がなく、土俵を割った。

 ここ一番の御嶽海の集中力は素晴らしかった。「立ち合いでしっかり当たれたのがよかった。自分の相撲を取れば怖くない」と振り返る御嶽海。朝乃山に左上手を取られても、休まず前に出続けたことで、相手に攻めさせなかった。

 御嶽海の残る対戦相手は貴景勝、白鵬、阿炎の3人。すべて勝って9勝すれば、来年初場所の成績次第(優勝相当が必要だろうが)で大関昇進の可能性もある。

 敗れた朝乃山は、「自分の攻めよりも相手の攻めが早かった。せっかく左上手が取れたのに」と悔しがった。しかし、すぐに「気持ちを切り替えて、明日から頑張ります。今日は関脇と小結の違いを見せつけられました」と吹っ切れた様子。

 朝乃山の残る対戦相手は平幕の3人で、白星を12勝まで伸ばせば、来年の大関昇進の可能性が大きく広がる。

 優勝争いは朝乃山が敗れたため、白鵬が2差リードとなり、もう白鵬で決まりだろう。

文=山口亜土

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