
九州場所も折り返しの中日を迎えた。前半戦からケガ人続出で盛り上がらないが、カド番大関の髙安も休場となってしまった。
※写真上=本来の動きが戻った貴景勝は、会心の相撲で明生を降す
写真:月刊相撲
髙安は幕内土俵入りにも登場していたが、支度部屋での準備運動中に腰を痛めて動けなくなってしまった。ぎっくり腰を経験した人ならわかるだろうが、本当に情けないくらい動けないものだ。
付け人の肩を借りて会場をあとにした髙安は、これで3勝5敗。11日目から再出場したとしても、全勝しなければ大関の地位を守れない。本当に気の毒だ。
ひとり大関となった貴景勝は、7日目に続いて会心の相撲で5勝目を挙げた。立ち合いの当たりで明生を吹っ飛ばすと、休まず前に出て一蹴した。
今場所の貴景勝は初日から報道陣の問いかけには答えず、3日目からは背中を向けるようになってしまった。しかし、7日目からは記者の質問に応じるようになった。
「毎日、集中しているので、後悔しないようにやっていた」と語る貴景勝。先場所千秋楽に痛めた左大胸、夏場所痛めた右ヒザはまだ完全ではないだろう。大関に戻ったものの、結果を残さなければならない地位だけに、体調に不安があっては口が重くなるのも無理はない。
「今の成績で優勝を目標にすることはできないけど、あきらめずに最後まで取れば、優勝以上のものがつかめるかもしれない。毎日、しっかり準備して、いい状態で臨めることだけ考えています」
単独トップを走る白鵬とは2差。髙安が再出場しなければ、千秋楽の結びは白鵬-貴景勝戦となる。本来の相撲が戻ってきた貴景勝は、さらに調子を上げていくだろう。
文=山口亜土
2025-11-24
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