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2026-07-24

【相撲編集部が選ぶ名古屋場所13日目の一番】安青錦勝って単独トップ、霧島負けて綱遠のく。熱海富士が優勝争い急浮上

今場所を引っ張ってきた2敗の2人の対決は、手負いの安青錦が肩透かしで鮮やかに霧島をひっくり返して単独トップに。あと2番、しっかりと勝って優勝までたどり着けるか

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安青錦(肩透かし)霧島

「予想外の展開」は、ここに潜んでいた。
 
きのう、このコラムで「あまりこちらの予想通りに展開するのも……」と書いたが、予想外は、ここまで今場所の主役を担ってきた2人の直接対決で起きた。綱取りを狙う大関の霧島が、左足首のケガを抱えながら戦う安青錦に敗れ、3敗目を喫したのだ。
 
この2人の対戦は、基本的には「霧島が安青錦を起こせるか」がいつも焦点になるが、今場所の場合は、まず、「安青錦が左下手をつかめるか」がポイントだと言えた。
 
立ち合い、霧島は右腕をカギ型にして当たって少し距離を取ろうとしたが、これはあまり効果なく、次の瞬間には安青錦の左手が廻しに伸びてきた。しかし、ここは霧島が厳しく嫌った。右から絞り上げて下手を許さず、左を差して前に出た。
 
前に出たのはよかったが、霧島の攻めは、直前に右の絞りを効かせて出たこともあったのか、全体には右から左へ、というベクトルの攻めになった。安青錦が痛めているのは左足なので、霧島としてはできれば左から右へ、という力のベクトルの攻めができれば理想的だったはずだ。
 
結果的にはそこが、勝敗の分かれ目になったように思う。安青錦は少し左に体を逃がして、右足のほうで体を支える形を作りながらの肩透かし。廻しこそ取れていなかったが、左下手と右足を軸にした技で、きれいに霧島を転がした。

「しっかりやり切ろうという気持ちで土俵に上がりました。体が勝手に反応した」と安青錦。霧島がこの一番で3敗となったほか、この日は尊富士、獅司の平幕の2敗勢も横綱・大関に退けられ3敗に後退(獅司を降した琴櫻はカド番脱出)、安青錦は優勝争いの単独トップを奪回した。
 
一方、霧島は綱取りの条件になっている「高いレベルの優勝」に向かっては厳しい3敗目。さすがにこの日は取組後もノーコメントだった。ただ優勝の望みはまだ消えたわけではないので、望みがある限り、この後も一つひとつ勝っていくしかない。12勝でも優勝すれば気運が盛り上がってくるかもしれないし、もし今場所後がダメでも、次につなげるために最低、優勝次点は死守する必要がある。
 
さてそして、この展開で優勝争いに急浮上してきたのが、この日、結びで豊昇龍を破って3敗を守った関脇熱海富士だ。
 
大の里、豊昇龍を倒してきた力強い取り口に加え、何といっても安青錦との直接対決(千秋楽に組まれることがほぼ確実)を残しているのが楽しみだ。左足を痛めている安青錦は、「残り、ケガがないように盛り上げられたらいいと思います」と語っているが、少なくとも熱海富士の約200キロの体重をまともに受けるような状況だけは避けたいはずで、ひと工夫必要な相撲になる可能性はあり、最も嫌なタイプの相手ということが言えるだろう。
 
また、安青錦に対して自力で引きずり降ろすチャンスがある、という点では、あす対戦する3敗の尊富士も同じだ。もちろんそこで勝ったとしても、千秋楽の対戦相手(霧島になる可能性も)を倒さなければならず、さらに優勝決定戦がある可能性もあるので、楽な話ではないが、優勝経験者だけに不気味な存在だ。
 
きのう予想していたのとは、ちょっと違う様相にはなったが、これはこれで、なかなか面白いことになってきた。

文=藤本泰祐

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