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2026-07-23

【相撲編集部が選ぶ名古屋場所12日目の一番】安青錦2敗目。大の里を初めて破った霧島がトップ集団に復帰

相手が右差しにくるところを逆用し、とったりで大の里を転がした霧島。この横綱からは初めての勝利で優勝争いのトップグループに復帰、逆転Vと綱取りも見えてきた

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霧島(とったり)大の里

やはり、ケガをしている力士がそのまま走り抜けられるほど、話は甘くなかった。
 
きのう10勝目を挙げ、来場所の大関復帰を決めた安青錦が、琴勝峰に敗れて2敗目を喫した。八角理事長(元横綱北勝海)も「このまま全部勝つとは思えない」という談話を、きのう残していたが、その予感が当たってしまった。
 
この日は、命綱の左前廻しが取れなかった。琴勝峰に立ち合い突き放されたのだ。この廻しが取れないと、安青錦は体勢が安定せず、離れての動き合いになれば、足の不安は前面に顔を出すことになる。引いたところをついてこられて、あっさり押し出された。「大関復帰の10勝でなく、優勝を目指す」と場所前から言っていた安青錦だが、やはり現実には大関復帰を決めてホッとしたところは少なくないだろう。「左を与えなければ」という策が見えたところを含め、この後どれだけ勝っていけるかには、かなり不安が膨らむ相撲ではあった。
 
さてこうなると、がぜん優勝候補の本命に再浮上してくるのが、大関霧島だ。この日はこれまで勝ったことがない横綱大の里との対戦。綱取りへ向け、終盤の第一関門だ。
 
立ち合い、この日の霧島は、左は最近の大の里戦で見せているのと同様に、固めて相手の右との差し手争いを狙い、右は下から前ミツを取りに行く感じで立った。
 
霧島の左と大の里の右の差し手争いは、大の里が差し勝った。ただ、立ち合いの当たり自体では、今場所の調子が示すとおりに当たり勝った霧島は、次の動きを用意していた。
 
まずは左からガチッと相手の差し手を固めると、霧島は奥の手を出した。回りながら相手の右を手繰ってのとったりだ。きれいに体勢を入れ替え、横綱を向こう正面土俵に転がした。

「(とったりは)狙ってないけど流れで。いつも通りの立ち合いをした。最後まであきらめずに、よかったと思います」

大の里には11回目の対戦で初めての勝利で「あまり負けている相撲を気にせず、きょうの一番だけ。しっかり取るのが大事と思っていた。(娘のアヤゴーちゃんに)初めて勝ちの報告ができる。それくらいパパが弱いということ」と自虐ネタも織り込みつつ喜んだ。
 
安青錦が敗れたことにより、霧島はこの日平幕勢で2敗を守った尊富士、獅司とも並んで優勝争いのトップ集団に復帰した。「それは全然。まったく気にしない」。綱取りについても「全然。まだ3日ある。そこを意識しても」と語ったが、苦手の大の里戦を乗り越えたことで、あす安青錦との直接対決をモノにできれば、残り全部勝って13勝での優勝、という線が見えてくるところまできた。「ケガをしている力士と、すでに勝ち越しが目標という状態の横綱・大関に連勝しての優勝は、“レベルの高い優勝”に当たるのか?」という疑問は頭の片隅に浮かばないでもないが、そもそも周りの上位陣の調子が上がらないのは霧島には何の責任もないことなので、霧島としては一番一番、力強い内容を見せて勝っていくだけだ。
 
まずはあす組まれた霧島と安青錦の直接対決が注目だが、ここからあまりスススッとこちらの予想通りに話が展開するのも味気ないもの。あす、2敗の平幕勢が横綱・大関陣を食ってサバイバルできるようなら、手に汗握る終盤戦が演出される可能性が膨らむが、さてどうなるか。

文=藤本泰祐

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