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2019-07-13

相撲編集部が選ぶ名古屋場所7日目の一番 輝(押し倒し)炎鵬

7日目は大きな波乱もなく、鶴竜、白鵬の両横綱が全勝を守ったので、輝と炎鵬の同級生対決を取り上げることにした。

※写真上=同郷・同じ中学でしのぎを削った2人のプロ初対決は、先に入門した輝が貫禄を示した
写真:月刊相撲

 この2人は石川県金沢市立西南部中の同級生。4学年先輩には遠藤がいる。2人は平成21年の都道府県中学生相撲選手権の団体戦で石川県代表として出場し、見事に優勝を果たしている。

「(炎鵬は)ここぞというときに必ず勝ってくれる頼りになる仲間でした」と輝が言うように、この大会の準決勝、決勝と同点で迎えた大将戦、大将の炎鵬が勝って優勝を決めている。ちなみにこのときの炎鵬の体重は69キロ。まさに相撲の天才だった。

 輝は中卒後に高田川部屋に入門したが、炎鵬は金沢学院東高、金沢学院大に進んだ。体の小さな炎鵬が大相撲に入門すると思っていなかった輝は、「あいつと相撲を取るのは中学で最後と思っていたので、幕内の土俵で対戦できるなんて、感慨深いものがあります」と対戦が決まってから語っていた。

 この日は西南部中の校長先生、当時の相撲部の監督が会場に駆けつけており、ともに「いい相撲を取りたい」と気合が入っていた。

 軍配が返り、炎鵬は右から軽く張って潜り込もうするが、輝に下から突き起こされると、回り込めずに土俵下へ吹っ飛ばされてしまった。輝が安易に叩きにいかず突き起こしたのは、炎鵬攻略法を体が覚えていたからだろう。

 何もできず完敗を喫した炎鵬は、「力が入りすぎた。また対戦したいです」と前を向いた。これから何度も2人の対戦はあるだろう。次は炎鵬が大きな輝をどう攻略していくのか、見ものである。

文=山口亜土

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