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2026-08-17

【陸上】アジア大会代表・水久保漱至が4×100mRに強い意欲「たまってきたリレーへの思いを力に変えて発揮したい」

水久保は日本選手権男子200m予選で日本歴代2位となる20秒07をマークした(写真/幡原裕治)

アジア大会代表に200mで選ばれている水久保漱至(宮崎県スポ協)が、日本の伝統種目である4×100mRにも強い意欲を見せている。

6月の日本選手権200mに優勝。予選では20秒07(+0.5)の日本歴代2位で走り、末續慎吾が2003年にマークした日本記録に0秒04と迫った。アジア大会では個人種目はもちろん、4×100mRでの活躍も期待できる。だが水久保はこれまで、代表に選ばれても国際大会のリレー種目を一度も走っていない。選考基準を満たしても代表発表時に名前がないこともあった。

日本選手権の走りの分析や200mでの成長過程、アジア大会や19秒台への意気込みなどは、陸上競技マガジン9月号(8月17日発売)のインタビュー記事で詳しく紹介している。WEBでは水久保のリレーへの思いを紹介する。

リレー欠場の原因もたび重なるケガ

水久保が代表入りした国際大会は、大学1年時の17年バハマ世界リレー選手権、21年のシレジア世界リレー選手権、23年のブダペスト世界選手権、そして昨年の東京世界選手権の4大会。17年のバハマ世界リレー選手権は現地で発熱したためだが、ほかの3大会はすべて、大会前にハムストリングスの肉離れをしたことで本番を走れなかった。

昨年も4月の出雲陸上で世界リレー選手権の選考基準をクリアしていたが、世界リレーに向けてのバトンパス練習中に肉離れをしてしまい、代表発表時に水久保の名前はなかった。今年7月のダイヤモンドリーグ・ロンドン大会への日本チーム参加も、日本選手権3週間後にケガをして遠征メンバーから外れてしまった。

「一番悔しかったのはシレジア世界リレー選手権のときでした。バトンパス練習もして、走順も2走と決まったのですが、肉離れをして遠征できませんでした。昨年も出雲陸上後にバトンパス練習を鵜澤飛羽選手(JAL)として肉離れをしてしまいました。ケガをするのは力が入ったときが多くて、去年も鵜澤選手を追ってバトンを渡そうとしたときでした。そこから車椅子生活を送り、リハビリをして世界選手権の200mには出場できましたが、リレーはメンバーから漏れました。個人種目も同じですが、ケガをしてしまうことが多くてものすごく悔しい思いをしてきました」

ケガ予防のためにはどうすればいいか。詳しくは本誌9月号で紹介しているが、種目を200m中心にしたこともケガを避けるためだったし、学生時代後半に脚が流れない動きに変更したことでケガは多少減ってきた。そして昨年からは、肉離れをする部位のハムストリングス自体を鍛えるメニューにも取り組み始めた。

その成果で、昨年4月を最後にハムストリングスの肉離れはしなくなった。今年7月の肉離れはハムストリングスではなく左脚のヒラメ筋だった。ケガが多くても昨年のように、世界選手権に間に合わせた実績もある。アジア大会の4×100 mRは絶対に走るつもりでいる。

「今まで走りたくても走れませんでした。たまってきたリレーへの思いがありますから、それを力に変えて発揮したい」

水久保は「走りたくても走れなかった」たまった思いをアジア大会でぶつけるつもりだ(写真/幡原裕治)
水久保は「走りたくても走れなかった」たまった思いをアジア大会でぶつけるつもりだ(写真/幡原裕治)

1走と4走への期待

 走順は「1走と4走」を希望している。
「1走は中学、高校、大学と全部走ってきたので慣れているんです。4走は、後半の走りに自信がありますから。今年の日本チームはオーバーハンド・バトンパスを採用しましたが、城西大時代にアンダーハンドからオーバーハンドに変えたことがあります」

日本チームで走った実績はないが、200mの前後半のタイムから水久保のリレーの走りがある程度イメージできる。

200mの前半100mの通過タイムは、日本選手権予選が10秒40(非公式、以下同)だった。以前は99%の力感で走って10秒3台を出したことがあったが、200m全体でタイムを短縮するために昨年から、前半を96%の力感で走るように変更した。今の水久保はスピードが上がったことで、96%でも以前と同じレベルで通過できるようになっている。

風向きも影響するが、4×100mRの1走を100%で走れば10秒2台は間違いなく出るだろう。19年のドーハ世界選手権で、日本チームが37秒43の日本記録を出したときの1走は10秒25だった。

後半100mは日本選手権予選が9秒67。20秒14(+0.1)で走った昨年の富士北麓ワールドトライアルでは、前半が遅かったこともあるが後半は9秒50前後だったという。リレーの4走を全力で走ったとき、9秒00前後までタイムを縮められれば日本記録のときの2走、4走と同レベルになる。

「プラスアルファの不思議な力が出るのがリレーです。国際大会を走ってはいませんが、チームとして行動してきましたし、どうしたらチームワークが発揮されるかを見てきました。今回のメンバーは桐生祥秀さん(日本生命)、小池祐貴さん(住友電工)、多田修平さん(住友電工)がいて、年齢的に自分は下の方なんです。先輩たちが下に優しくしてくれたり、気軽に接してくれたりします。わだかまりなく練習ができますし、思い切って飛び出せます。そういうところでチーム力を高めていけます」

初めてバトンをつなぐアジア大会の目標を、「確実に金メダルは取らないといけません」と話す。その上で「来年の世界選手権の出場枠を取るために、最低でも37秒7くらいを狙っていきます」と強い気持ちで臨む。

水久保が「4×100mRの伝統」を受け継ぐ準備はできている。

文/寺田辰朗 写真/幡原裕治

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