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2019-05-22

相撲編集部が選ぶ夏場所11日目の一番 妙義龍(押し出し)鶴竜

10日目を終えて、幕内の優勝争いは1敗で鶴竜、栃ノ心、朝乃山の3人、2敗で琴恵光がただ1人という状況で終盤戦に突入。

※写真上=結びの一番で土俵際まで押し込まれたが、鶴竜の叩きに乗じた妙義龍が逆転の金星
写真:月刊相撲

 幕内最初の相撲で琴恵光が3敗目を喫して後退し、優勝は1敗の3人に絞られてきた。最初に土俵に上がった朝乃山は、立ち合いから一気に寄り立てて、佐田の海を圧倒。あまりに勢いがよすぎて、勇み足気味となり物言いがついたが、つま先はついておらず1敗を守った。

 勝てば大関復帰も決まる栃ノ心は阿炎と対戦。これまで3戦して負けていない相手だったが、モロ手で突き起こされるとタイミングよく叩かれて土俵を飛び出した。

 鶴竜は妙義龍と組まれた。今場所の妙義龍は東前頭5枚目まで番付が下がり、上位とは当たらない位置だが、休場者が多く、結びの一番の大役が回ってきた。

 軍配が返ると、鶴竜は廻しにこだわらず、突き押しで前進。土俵際まで押し込みながら、妙義龍の手が廻しにかかろうとした瞬間に引いてしまった。

「結びを組んでもらえたので、思い切っていこうと思っていました。結びで取れるのがうれしかったです」と気合が入っていた妙義龍。「ここは出るしかないと思った」と、このチャンスを逃さなかった。形勢は一気に逆転し、鶴竜は土俵外に飛び出し、痛恨の2敗目。「引いてしまった」とがっくり肩を落とした。

 これで平幕の朝乃山が単独トップ。12日目の鶴竜の相手は西5枚目の竜電で、朝乃山とは組まれなかった。鶴竜は最後の3日で栃ノ心、髙安、豪栄道と当たるので、朝乃山とは対戦がないことになる。

 先場所の逸ノ城も白鵬と対戦させなかったが、最近の審判部は番付上位から横綱に当てることにこだわりすぎている気がする。竜電には悪いが、ファンが見たいのは、鶴竜-竜電ではなく、鶴竜-朝乃山のはずだ。

文=山口亜土

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