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2026-08-21

【連載 大相撲が大好きになる 話の玉手箱】第40回「聞いて納得」その2

平成29年秋場所千秋楽、新入幕の朝乃山は千代大龍を押し出して10勝目

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力士たちが取組後にもらすコメントは実にスッキリしています。
言って納得、聞いて納得、言い得て妙の名コメントがわんさかです。
エッ、どんなものがあったかなって。
分かりました、ほんの一部ですが、紹介しましょう。
※月刊『相撲』平成31年4月号から連載中の「大相撲が大好きになる 話の玉手箱」を一部編集。毎週金曜日に公開します。

地元はフィーバー

力士たちが、ああ、これでオレもやっと一人前だ、とプロになったことを実感するのはどんなときだろうか。
 
平成29(2017)年秋場所千秋楽、新入幕で東前頭16枚目の朝乃山は西前頭3枚目の千代大龍をカチ上げから押し出して二ケタの10勝目を挙げ、合わせてこの一番に勝つことが条件だった敢闘賞も初受賞した。郷里の富山県出身では、平成元年秋場所の琴ケ梅以来、28年ぶりの三賞受賞だった。

「これぐらいじゃ、富山は盛り上がらないですよ」
 
と朝乃山はしきりに謙遜していたが、この三段目付け出しデビューからたった10場所目で目覚ましい活躍をするフレッシュな郷土力士の出現に地元は大喜び。11日目に勝ち越したときも新聞の号外まで配られている。
 
後日、場所後の休みなどに富山に帰省し、行きつけの銭湯や食堂に顔を出すのを何よりの楽しみにしていた朝乃山はこのフィーバーぶりを知って、

「(帰っても)もう気軽に出歩けないですね」
 
とちょっぴり残念がっていたが、この三賞決定のときも、

「自分が一番、びっくりしています」
 
と緊張の色が濃かった。それがようやく解けたのは賞金の使い道を聞かれたときだった。この日は5本の懸賞も獲得しており、いっぺんに215万円もの大金を手にした朝乃山は、

「なんに使うか、ノーコメントです」
 
と明かさなかったが、こう言ってニッコリした。

「これでようやくプロらしい生活になったかな」
 
ひと皮剥けた瞬間だった。

月刊『相撲』令和4年7月号掲載

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