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2026-08-28

【アメフト】シーズン中にエースQBがまさかの離脱、その時チームは・・・エレコム神戸とIBMの場合

エレコム神戸のエースQBとして、チームをけん引したデビッド・ピンデル=撮影:小座野容斉

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アメリカンフットボールの国内最高峰リーグ「Xプレミア」は、7・8月のサマーブレークを終えて8月29日から再開となる。この間に驚くような動きがあった。今季から始まったXプレミアは、サマーブレークの間に選手の入れ替えが可能で、後半戦の各チーム登録ロースターが公表されているが、好調の3チームで、エースQBの放出・交代があったのだ。

5月に開幕したXプレミアは、7月の第4節までを終え、1位オービックシーガルズ(4戦全勝・勝ち点12)、2位富士通フロンティアーズ(3勝1敗・勝ち点9)、4位パナソニック インパルス(2勝2敗・勝ち点6)と、「BIG3」が好順位を維持。そして、この3強を追うのが、3位エレコム神戸ファイニーズ(3勝1敗・勝ち点9)、5位富士フイルム海老名ミネルヴァAFC、6位IBMビッグブルー(共に2勝1敗・勝ち点6)となっていた。

そのエレコム神戸、富士フイルム海老名、IBMが、そろって米国人QBがチームからいなくなった。不調や成績不振なら説明も付く。しかし、3チームとも、第4節までの好調の主因はQBを軸としたオフェンスにあった。この3チームに何が起こったのか。2回に分けて探りたい。まずはエレコム神戸とIBMについて。

「神戸は第二の故郷」在籍5シーズンのQBピンデルに別れ・・・エレコム神戸
QBとしてはXリーグ屈指の身体能力で、強豪チームを苦しめたエレコム神戸QBピンデル=撮影:小座野容斉

エレコム神戸のQBデビッド・ピンデルは、7月5日の第4節、対ノジマ相模原ライズ戦で負傷退場した。まだ試合序盤で、先制のTD(タッチダウン)パスを決めた直後のアクシデント。関係者の話によると、膝の靱帯断裂で、シーズンアウトだったという。それが退団に直結した。

ピンデルは2022年の秋シーズンから加入すると、オフェンスの中心として、エレコム神戸のライスボウルトーナメントベスト4進出に大きく貢献した。XリーグのQBでは屈指の運動能力を活かしたRPO(ラン・パス・オプション)のQBとしてチームの主軸となり、パス・ラン共に予測不可能なビッグプレーを繰り出して、強豪を苦しめた。

今季もオール三菱戦で2TDランを挙げるなど、開幕3連勝のチームに貢献していた。

ピンデルはSNSで、ファイニーズとの別れを告げ、チームメートやコーチ、スタッフに感謝の念を表した。
QBピンデルはSNSで、ファイニーズとの別れを告げ、チームメートやコーチ、スタッフに感謝の念を表した=本人のXアカウントから

5シーズンにわたり素晴らしい時間を過ごした後、エレコム神戸ファイニーズとの契約が終了しました。このチームの一員としてプレーし、数多くの素晴らしいチームメートやコーチ、スタッフの皆さんと共に戦えた機会に心から感謝しています。

この5年間、私を支えてくださり、神戸をまるで第二の故郷のように感じさせてくれたすべての方々に感謝申し上げます。

私たちは多くの素晴らしい思い出を分かち合い、共に困難に立ち向かい、 忘れられない瞬間を祝ってきました。このチームの一員であったことを誇りに思い、背番号5を背負えたことを誇りに思います。

本当にありがとうございました。ファイニーズでの在籍期間中に得た経験や友情を、いつまでも大切にしていきます。この組織と関わりのあるすべての方々が今後、さらなる成功を収められることを心から願っています。

ありがとう、ファイニーズ。
 デビッド・ピンデル

ドイツ国内リーグで活躍 新米国人QBブロック


エレコム神戸には、第5節からは新たな米国人QBザビエル・ブロックが加入する。188センチ97キロで26歳のブロックは、大学はDiv2(上から3番目のカテゴリー)のレイク・エリー・カレッジ出身で、まったく無名の存在だった。

卒業後にドイツの国内リーグに身を投じ、2024年にアルゴイコメッツでパス3820ヤード、48TDという好成績を残すと、翌年はGFLの強豪ポツダム・ロイヤルズに移籍。シーズン途中からエースQBに昇格するとロイヤルズをGFL優勝に導いた。優勝戦ではMVPに輝いた。今季もパス1947ヤード・28TD、ランでも372ヤード・5TDを記録しているという。

今季終了後にスポンサー撤退が決まっており、好成績を残したいファイニーズの期待に応えられるだろうか。第5節は、現在1位のオービックシーガルズとの対戦となる。

勝負強いパスとランでチームをけん引したQBライトが負傷で今季終了・・・IBM
【IBM vs ノジマ相模原】3Q、QBライトの66ヤード独走TDランは試合の流れを決めたビッグプレーだった=撮影:小座野容斉


IBMもQBジャイヤ・ライトが秋季ロースターから名前が消えた。ピンデルのケースとよく似ていて、第4節の対SEKISUIチャレンジャーズ戦で負傷退場。膝の靱帯断裂でシーズンアウトとなったという情報がある。

ライトは、今季加入で、米のカレッジフットボールでは、ほぼ無名と言ってよい存在だった。大学時代が新型コロナ感染症と重なり、まとまってプレーしたのはルイジアナモンロー大4年時(大学6年目)だけ。8試合でパス1246ヤード、10TD・8INTと平凡で、チームも1勝7敗だった。卒業後は、インドアフットボール、そしてメキシコのリーグでプレーしていた。

しかし、Xプレミアでは、開幕戦から出場し、ラン・パスともに勝負強さを発揮。第2戦のノジマ相模原線では、ラン10キャリー129ヤード・1TD(平均12.9ヤード)、パス16/29、133ヤードで2TD・1INT。後半開始早々の66ヤード独走TDランは試合の流れを決めたビッグプレーだった。

ここまで3試合で、ラン238ヤードはQBにも関わらずXプレミア1位。パスも385ヤードながら、4TD・1INTと好調なチームの原動力となっていた。

IBMは、ベテランQBの政本悠紀がいることもあり、無理に外国人QBを補強せずに、オーストリア人TEのベルンハルト・セイコビッツを加入させた。
カレッジフットボールでは無名ながら、勝負強いパスとランで活躍したIBMのQBライト=撮影:小座野容斉

NFLカージナルスの練習生として4シーズン、新TEセイコビッツ

セイコビッツは198センチ120キロと大型の29歳。9歳からフラッグフットボールを始め、10代の頃はQBで、U19オーストリア代表にも選出された。

そしてセイコビッツの経歴で目を引くのは、NFLとの関わりだ。2021年からIPP(インターナショナル・プレーヤー・パスウェー)プログラム枠に合格し、4シーズン連続で、アリゾナ・カージナルスの練習生としてチームに帯同したという、Xリーグの水準としては超エリートの経歴を持つ。プレシーズンゲームに出場し、パスレシーブも数本記録している。

ちなみに2021年のIPPプログラムは、元オービックシーガルズRBの李卓コーチがチャレンジして、合格できなかった年だ。セイコビッツは李コーチとも、IMGアカデミーで「同じ釜の飯を食った」仲ということになる。

セイコビッツのXプレミアデビュー戦は、8月30日の富士通戦。これも注目の一戦となりそうだ。

【小座野容斉】

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