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2026-09-16

【相撲編集部が選ぶ秋場所4日目の一番】36歳髙安が大の里から金星! 安青錦らも敗れ、幕内の全勝は琴櫻ただ1人に

土俵際で両者の体が離れ、髙安が左足一本で一回転して残すと、大の里はこらえきれず土俵の外へ。36歳髙安の見事な金星となった

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髙安(突き倒し)大の里

きのうまで6人いた幕内の全勝力士が、1日でたった1人になった。
 
幕内前半の土俵で、まず朝紅龍が新入幕の寿之富士に投げられ、途中で寿之富士の足が出たかと物言いはついたが軍配どおりで土。そして藤青雲は平戸海に完全に先手を取られて突き落とされた。
 
後半に入って、隆の勝が右からの攻めを美ノ海にうまく封じられて1敗。これで平幕の全勝はいなくなった。
 
さらには大関安青錦が得意の左下手に手を掛けながらも、先手先手で攻めた伯乃冨士に押し出されて黒星。大関琴櫻が豪ノ山を退けて全勝を守った後、だんだん調子が上がってきたかと思われていた横綱大の里までもが、悪癖の引きが出たところをついてこられて敗れた。

「(大の里に)久しぶりに勝てましたよ。やっぱり金星は何回やってもうれしいこと。気持ちいいですね、これだけの歓声を浴びると。やりがいがあります」

と、充実の表情で振り返ったのは、大の里が横綱となってからは初の白星で、通算7個目の金星を挙げた髙安だ。
 
この日も、きのうの霧島戦に続き、その立ち合いのパワーが火を噴いた。髙安が両手でハジくように体当たりすると、それだけで横綱の上体は立ち加減に。続いて髙安が左、右と突くと、これを嫌がった横綱は、思わず悪癖の引きを出してしまう。
 
髙安はよく見てついていき、横綱を正面土俵に追い詰める。最後は大の里が体をかわし、勢いのついていた髙安は俵の上、左足一本で体を一回転させてこの勢いを逃がしながら大の里の体勢を目で追う。大の里も体をかわした後、黒房下に踏み出しそうになるところ、つま先立ちになってしばらく辛抱したが、最後は勢いに耐えられず、土俵外に飛び出した。最後は珍しい形になったが、内容的には「立ち合いよかったですね。踏み込みもよかったです。当たったあとの流れもよかったです」という髙安の快勝。
 
大の里は、「ああいう形になってしまったので……。また気持ちを作って、前に出る意識を持って。切り替えてやっていきます」と話すしかなかった。
 
41歳の玉鷲が番付を十両に下げてしまったことで、幕内最年長となった髙安は36歳。それでいてこの元気さはどうだ。夏巡業も腰痛や左足の内転筋損傷での休場があるなど、年々万全の体調であり続けることは難しくなっているが、それでもしっかりケアして本場所ではこの活躍。「きょうもしっかり、うまく体を調整して臨めたと思います」という真摯な努力には本当に頭が下がる。番付上位4人との対戦を終えての2勝2敗は、この後の体調管理さえうまくできれば三役復帰も十分視界にとらえられる状況だ。
 
さて優勝争いのほうは、全勝が琴櫻のみになり、これを大の里、霧島、安青錦ら16人の1敗力士が追う形となった。琴櫻が頭一つ抜け出しているが、まだ「(内容は)ホメられたもんじゃない」と大関自ら言っているとおり、本来の相撲は出ていないので、場所はほぼ横一線の、振り出しに戻ったような感じになったと言ってもいいだろう。
 
その副産物として、3日目の時点でかなり厳しくなったかと思われた霧島の綱取りはにわかに可能性を回復し、場所のスタート時に近い状況に戻ったという見方もできる(「レベルの高い優勝」に届く可能性はやや下がっているが、霧島の綱取りにはそれ以上にまず優勝ということが重要なはず)。
 
さあ、あすからはまたそれぞれにとって新たなスタート。その結末が行きつく先は、あらゆる方向に可能性がある。

文=藤本泰祐

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