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2026-09-17

【相撲編集部が選ぶ秋場所5日目の一番】琴櫻が美ノ海に完敗。早くも5日目にして幕内の全勝消える

琴櫻は美ノ海の低い攻めをしのげず黒星。5日目にして早くも幕内の全勝が消えた。あす以降、混戦の中から優勝争いの主役に名乗りを上げるのは果たしてだれか?

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美ノ海(押し出し)琴櫻

きのうまでただ一人全勝だった大関琴櫻が敗れ、早くも5日目にして、幕内の全勝力士がいなくなった。

さすがにこの日は受け切ることができなかった、ということか。白星街道をゆく最後の一人となっていた琴櫻だが、きのうまで4日間の相撲はすべて相手に攻められながらしのいで逆転し、白星を手にしたもの。まあもともと受けの強さに持ち味がある大関なので、受けてしのげるだけの余裕が今場所はある、ということでもあり、受けて勝っているからよくない、とばかりは言えないが、やはり攻めての白星はほしいところで、「ここまでの白星の貯金が気持ちの余裕につながり、攻める相撲に転じられれば」と期待されていたが、好調美ノ海の前に、受け切れずに黒星、という相撲が先に出てしまった。
 
この日も立ち合いはモロ差し狙いで立った大関だが、「踏み込みの角度がよかった。しっかり低く当たれたかと思います」という美ノ海に、左右とも下から締め上げられて差せず。狙いを左上手に変えたが、左に回ったところをついてこられ、却って胸を出すような形になってしまって、美ノ海に左ハズ、右から突く攻めを許して、あっさりと押し出された。

取組後は「切り替えてやっていくしかない。集中してやっていきます」と、琴櫻はいつもの敗戦後のコメント。残念ながら重ねてきた白星を本物の勢いに変える前にストップしてしまった感は否めない。

一方の美ノ海。唯一の全勝力士を倒したことには「全勝だったんですか?」と、この人らしいひょうひょうとした受け答え。さらに、相手が今場所受ける相撲になっているところを突いたのかと思いきや、そうでもなかったようで「別に相手が下がるとは思っていなかったんで。当たったあと、左が取れなければ、左を探ったり、差し手争いになるかなと思っていました。体が行ったので一気に走れた。その時のタイミングですね」と、自らの取り口を解説してくれた。

この言葉でも分かるとおり、今場所の美ノ海は、たとえ得意の左前廻しを取れなくても(ここまで4勝しているが、実は立ち合いでサッと左が取れた相撲はまだない)、前へ前へと出て攻め切っている相撲が目立つ。
 
そこを尋ねると、「もちろん左は取りたいんですけど、取れなくても、攻めながら取れるように、ということを練習しているという感じです」と、現在、その攻めの力は進化中のよう。まだこれから大の里や霧島、安青錦と対戦していくことが予想されるので、中盤戦の優勝争いのキーマンになってくることは間違いない。そして美ノ海にとっても、そこを好成績で切り抜けられれば、新三役の座が見えてくることになる。
 
さて、幕内の全勝がいなくなり、優勝争いは9人が1敗で並んで、本当に振り出しに戻ったような形になった。有力力士の中では、この日、豪ノ山に一気に押し倒され、2敗目を喫した安青錦が一歩後退の様相なので、地力のある横綱大の里に、昇進を目指す霧島、熱海富士といったあたりを中心にした争いになることが予想されるか。
 
あすは安青錦と藤ノ川の対戦が組まれ、いよいよ関脇の上位戦がスタート。ここからは熱海富士と藤ノ川の両関脇、先ほど名前を挙げた美ノ海、さらには隆の勝あたりと横綱、大関との対戦が、優勝争いの様相を決めていくことになるか。

文=藤本泰祐

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