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2018-11-17

相撲編集部が選ぶ 九州場所7日目の一番

※写真上=髙安を左半身の守りの姿勢にさせ、長い相撲を制したのは苦労人・竜電だった
写真:月刊相撲

竜電(寄り切り)髙安

 自己最高位の西前頭3枚目まで躍進した竜電。初めての上位総当たりとなった今場所は、さすがに家賃が高く、1勝5敗と苦戦していた。

 この日、対戦する髙安は同じ二所ノ関一門の大関。普段から目をかけてもらい、巡業などで稽古をつけてもらっている。勝って恩返しをしたいところだ。

 軍配が返り、両者が激しくぶつかり合う。髙安のカチ上げに威力がなく、すぐに右上手、横ミツのいいところを取った竜電。髙安は左半身の守りの体勢で我慢。竜電が圧力をかけるが髙安は動かない。

 髙安としては相手が疲れるまで辛抱するしかなかったが、腰痛持ちだけに我慢できず強引な左下手投げ。これで竜電の重心がさらに下がり、頭をつけられ左前ミツも許してしまった。絶体絶命の体勢でも粘った髙安だが、1分59秒、ついに力尽きて土俵を割った。

 全勝だった貴景勝が敗れており、勝てば1敗でトップグループに入る髙安だったが、敗れて支度部屋では無言。

 ケガで回り道をした竜電は大関初挑戦で勝利し、「(辞めずに)やってきてよかった」と涙を流して喜んでいた。

文=山口亜土

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