アメリカンフットボールの国内最高峰「Xリーグ プレミア」は、10月3・4日に、東西の各会場で第8節の5試合が開催された。
「試合残り十数秒(数秒)、4点差を追う第4Q、ゴール前7ヤード、4thダウンのプレーは?」というアメフトの醍醐味を凝縮した局面が5試合中2試合で見ることができた。リーグでは様々な問題が起きている中、それでも選手は、コーチは、チームスタッフは、チアリーダーは、懸命の戦いを続けている。5試合の結果をお伝えする。
東京ガスディフェンス「曲がっても折れず」富士フイルム海老名を破る
東京ガス クリエイターズ○7-3●富士フイルム海老名ミネルヴァAFC
2026年10月3日@海老名運動公園陸上競技場

東京ガス クリエイターズが富士フイルム海老名ミネルヴァAFCをロースコアゲームで破った。
前半は両軍とも守備がターンオーバーを奪う展開。富士フイルム海老名は第2Q残り17秒、WR/K安達絹心の52ヤードFGで先制し、3-0で折り返した。後半も富士フイルム海老名オフェンスが優勢だったが、第3Q8分21秒、東京ガスは自陣25ヤードから5プレー75ヤードのドライブ、QB谷口雄仁からTE小野航輝への26ヤードTDパスで逆転した。
富士フイルム海老名はその後も攻め続けたが、47ヤードFG失敗などで得点できず。4点差で迎えた第4Q最後のオフェンスシリーズでも、ゴールまで7ヤードと攻め込みながら3回の攻撃はいずれもパス失敗。4thダウンでは、ディフェンスのプレッシャーでQBジェームソン・ワンが転倒し、試合が終わった。
富士フイルム海老名は、総獲得ヤード280、ファーストダウン18回と東京ガスの188ヤード、9回を大きく上回った。しかし、東京ガスはDL4人だけでQBにプレッシャーをかけ続けて、7人でパスを守るディフェンスが奏功し、「曲がっても折れず」、TDを許さなかった。東京ガスはオフェンスでも、レッドゾーン侵入が1回もなかったが、後半の唯一のチャンスを決勝TDに結び付けた。
新TEサイコビッツが活躍 IBMが2Qに24得点の猛攻で快勝
IBM ビッグブルー○44-20●富士フイルム海老名ミネルヴァAFC2026年10月4日@富士通スタジアム川崎
=©X LEAGUEIBM ビッグブルーは第1Q、K福岡勇斗の38ヤードFGで先制。さらに第2Qに畳みかけた。政本悠紀から今秋加入のTEベルンハルト・サイコビッツへの11ヤードTDパスで加点すると、さらに41ヤードFG、WR鈴木隆貴への39ヤードTDパス、そして再びサイコビッツへの8ヤードTDパス。試合の流れを完全に掌握する24得点で、27-0として、オリエンタルバイオ シルバースターを突き放した。
IBMは第3QにもFGとWR近江克仁へのTDパスでリードを拡大。シルバースターも30点のビハインドから、3TDを返したが、反撃が遅すぎた。IBMは総獲得470ヤード、ファーストダウン27回とオフェンスでゲームを支配し快勝した。NFLのIPPプログラムで、アリゾナ・カージナルスに4シーズン帯同していた経歴を持つサイコビッツは6レシーブ54ヤード2TDを記録し、新戦力として存在感を示した。
オール三菱がビッグプレー×2で富士通追い詰めるも、あと7ヤード届かず富士通 フロンティアーズ○28-24●オール三菱ライオンズ2026年10月4日@富士通スタジアム川崎

=©X LEAGUE富士通フロンティアーズは第1Q、RB香川将成の5ヤードTDランで先制。第2Qにオール三菱ライオンズがQBデマーカス・アイアンズJr.からWR白井圭への4ヤードTDパスで追いつくと、富士通はQB高木翼からWRサマジー・グラントへの61ヤードTDパスで再び勝ち越した。しかし直後、オール三菱はビッグプレーが飛び出した。ダリアス・ナッシュの99ヤードキックオフリターンTDで反撃した。
富士通は、サマジーへの28ヤードTDパスで再び勝ち越すと、第3QにはWR松井理己へのTDパスで28-14とした。しかしオール三菱は直後に再びビッグプレー。RBアイザイア・マルコムの87ヤードキックオフリターンTDで再び7点差とした。さらにK大西悠太のFG成功で4点差まで迫った。オール三菱は第4Q最終盤にはゴール前7ヤード、逆転TD寸前まで攻め込んだが、富士通ディフェンスが執念の守り。DBブロンソン・ビーティーが4thダウンでオール三菱QBアイアンズJr.をサック(記録はタックル・フォー・ロス)し、28-24で逃げ切った。オール三菱は大金星まで、あと7ヤードで力尽きた。
パナソニックが完勝 ノジマ相模原はエースQBを欠き無得点パナソニック インパルス○24-0●ノジマ相模原 ライズ2026年10月4日@鶴見緑地球技場(大阪市)パナソニック インパルスは雨中の一戦で、ノジマ相模原 ライズを完封した。第1QにK横井晃生の27ヤードFGで先制すると、第2QにはDB小西憂の45ヤードインターセプトリターンで得た好機を生かし、RB小泉誠実の1ヤードTDランで追加点。後半も勢いは止まらず、第3QにQB須田啓太からWR鈴木崇与への26ヤードTDパスで17-0とすると、直後にはDBジョシュア・コックスがインターセプトを15ヤードの「ピック6」で、勝敗を決定づけた。
パナソニックディフェンスはノジマ相模原を総獲得105ヤード、パス18ヤードに封じ、2インターセプトを奪ったが、ノジマ相模原はエースQBカート・パランデックが負傷で出場できず。QBはXリーグでの試合経験がとても少ない大橋功典だった。
オービックディフェンスが6サック2ファンブルRでSEKISUIに圧勝オービックシーガルズ○34-7●SEKISUI チャレンジャーズ2026年10月4日@鶴見緑地球技場(大阪市)オービックシーガルズがSEKISUI チャレンジャーズに大勝した。第1Q、相手ファンブルで得た好機からQBピアース・ホリーがWRテイ・カニンガムへ6ヤードTDパスを決めて先制。第2QはK中井慎之祐の47ヤードFG、インターセプトからカニンガムの2ヤードTDラン、さらに中井の43ヤードFGで20-0とリードを広げた。
後半も第3QにRB長尾涼平の15ヤードTDラン、第4Qにはホーリーから溝口駿斗への32ヤードTDパスで得点を重ねた。守備ではDE板敷勁至が2サック17ヤードロスを記録し、序盤からSEKISUIの攻撃を寸断。チーム全体でも6サック、2ファンブルリカバー、1インターセプトを奪うプレッシャーを見せた。SEKISUIは終盤にWRブギー・ナイトへの35ヤードTDパスで一矢報いるのに留まった。SEKISUIは今季開幕戦で引き分けた後、6連敗となった。
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Xリーグによると、プロ契約選手の人数制限に関する規程違反でリーグの調査を受けているオービックは「一連の問題で対象となった選手について、2026年レギュラーシーズン期間中の公式戦への出場を自主的に見合わせる」旨の申し出をしたという。そのため、SEKISUIとの試合でも、「自主的出場見合わせ」があったとみられる。ただ、その選手の氏名はもちろん、人数や選手のポジションなども含めて、対戦相手には開示はあったようだが、一般には情報は公開されていない。
Big3に変動はなし 富士通はライスボウルトーナメント出場決定 IBMが4位に浮上
=©X LEAGUE
第8節の結果、上位3強は、オービックシーガルズ、富士通フロンティアーズ、パナソニック インパルスが揃って勝った。オービックの7戦全勝・勝ち点21の首位は変わらず。富士通フロンティアーズが7勝1敗・勝ち点21で2位※1。パナソニックインパルスが6連勝で、6勝2敗・勝ち点18で3位。ここまでは順位の変動はない。
Xリーグによると、富士通はライスボウルトーナメント出場が決まったという。
4位にはIBMビッグブルーが上がってきた。IBMはオリエンタルバイオシルバースターに大勝して、4勝3敗・勝ち点12。5位はノジマ相模原ライズ。パナソニックインパルスに敗れたが、3勝3敗1分け・勝ち点10となった。
6位は富士フイルム海老名ミネルヴァ。東京ガスクリエイターズに僅差で敗れて3勝4敗・勝ち点12となった。7位は、今節は試合がなかったエレコム神戸ファイニーズで3勝4敗・勝ち点12のまま。8位は富士フイルム海老名を破った東京ガスで、3勝4敗・勝ち点12となっている。※2
10位は、富士通からもう少しで金星を挙げるところだったオール三菱ライオンズで、2勝4敗、勝ち点6。
SEKISUIチャレンジャーズはオービックに敗れ、6敗1分け・勝ち点1で10位。シルバースターはIBMに敗れて7敗・勝ち点0で11位となっている。
※1,2
1位と2位、6位と7位は直接対決の勝敗による。8位は得失点差による。