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2026-09-24

【相撲編集部が選ぶ秋場所12日目の一番】自信も完全回復? 立ち合いで作った余裕で熱海富士の突進かわし、大の里がVへ前進

余裕を持った下手出し投げで、前進する熱海富士をかわし、投げ捨てた大の里。13日目に優勝決定の可能性も生まれる独走状態を築き、復活優勝は濃厚になってきた

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大の里(下手出し投げ)熱海富士

きのうに続いて、横綱と関脇の力の差を見せつけた。
 
大の里が熱海富士の突進をかわし、197キロの巨体を下手出し投げで転がして、復活優勝へまた一歩前進した。
 
立ち合いは、相四つとあって、どちらも右を固めて当たった。互角に近い当たりのようにも見えたが、大の里は右を差すと素早く下手。熱海富士の右と大の里の左は少し離れて差し手争いのようになったので、最も効いているのは大の里の右手、という結果になった。
 
熱海富士は左からおっつけて出ようとするが、次の大の里の動きは速かった。右に体を開きながら出し投げを打つ。頭を下げてやみくもに出ようとした熱海富士の体は、目標を失ったように東土俵に這った。
 
熱海富士としては、とにかく前に圧力を掛けていこうということだったのかもしれないが、左からも右からも横綱を拘束できないままの突進となってしまい、うまくかわされた形。場所中盤までは好内容だったが、ここ2日間で、「すぐにも大関」という印象は飛び去ってしまったか。

逆に大の里側から見れば、立ち合い互角の当たりができたことと、右下手をサッとつかんだことで、相手の突進をさばくだけの時間と空間を稼ぐことができた、と言えるだろう。

「ここ数場所好調な相手に勝てたのが大きい。(直近3連敗中の相手への意識は)特に何もないですね」と、大の里は、“相対評価”的な意味での力関係の確認と、そして自身の相撲を信じれば大丈夫だという“絶対評価”的な意味での確認を、それぞれ感じさせるコメントを残した。どうやら、気持ちの上でも「強い大の里」が帰ってきたようだ。
 
12日目を終えた結果、1敗大の里は変わらず、3敗勢は大関安青錦、関脇藤ノ川、平幕朝乃山の3人になった。13日目はそれぞれ別の相手と対戦することになっているので、大の里が勝ち、3敗力士がもし全員敗れれば、大の里の優勝が13日目に決まることになる。

「また一日一番、集中してやっていきます」と大の里。差がついていることで安心したり、緩んだりすることさえなければ、復活優勝のゴールテープはいずれ切れることになるだろう。
 
この日の勝利で、大の里は通算200勝となった。幕下10枚目格付け出しで令和5年5月場所にデビュー、同年9月場所には新十両となり、早くも15日間取る形になっているが、通算50勝は令和6年3月場所、通算100勝は令和7年1月場所、通算150勝は令和7年9月場所。ここまではそれぞれ1年かからずに50勝のペースを刻んできた。ところが、150勝から200勝へは、休場して白星のない場所を2場所挟んだため、1年かかった。
 
そのため、ここ最近は番付を駆け上がってきたときのような怪物感も若干薄れ気味になっていたが、今場所は早々に優勝を決め、さらにはこのところ5場所続いている12勝での優勝とは一線を画す高い成績を達成し、他の力士との力の違いを示すチャンスだ。

「(残りは)積極的に強気な相撲で3日間しっかりやっていきたい」と横綱。取り戻した自信に、怪物感も復活の予感が漂う。

文=藤本泰祐

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