九州場所(11月12日~26日)がいよいよ開幕します。秋場所は3横綱2大関が休場する中、最終的には残った力士の番付上位である横綱日馬富士と大関豪栄道の優勝決定戦となり、日馬富士が9回目の優勝を果たしました。
日馬富士としては、横綱昇進以降初めての連覇を狙いたいところですが、秋場所の無理がたたったのか、秋巡業ではまともな稽古ができず、割からも外れたほどでした。巡業中はヒジの治療に専念しており、やや出遅れた感はあります。
優勝候補の本命はやはり白鵬でしょう。左ヒザの痛みで秋場所を全休しましたが、休んだことで状態は回復し、順調に仕上がっています。白鵬も32歳となり、無理のできない体になっています。かつて千代の富士が晩年のとき、休場しては優勝を繰り返していましたが、そんな感じで取っていけば、目標である3年後の東京オリンピックまで現役でいられるでしょう。
注目されている3場所連続休場の稀勢の里ですが、九州場所はケガして以来、一番いい状態で迎えられそうです。秋巡業の初日から土俵上での稽古を開始し、「この日に合わせてきた」と語っていました。代名詞の左おっつけはケガする前ほどの威力はないですが、攻撃の幅を広げるため、いろいろ試しながら稽古していました。九州場所は皆勤して二ケタ勝利を挙げられそうです。
進退が懸かっている鶴竜も、秋巡業2日目から土俵での稽古を開始し、順調に仕上がっています。名古屋場所で連勝スタートを切ったあと、左足首の剥離骨折で途中休場し、秋場所も全休しましたが、弱くなって負けたわけではなく、ケガのために休んだだけですので、体調が戻れば、優勝争いに加わってくると思います。鶴竜と稀勢の里が白鵬に次ぐ存在と見ています。
心配なのが、大関2場所目で途中休場したカド番の髙安です。秋巡業は全休しましたが、福岡入りしてからは、稀勢の里とも稽古ができていますので、何とか勝ち越しはできるのではないでしょうか。
注目の若手力士は、秋場所新入幕で敢闘賞を獲得した朝乃山です。秋巡業では稀勢の里に指名されて三番稽古の相手になりました。初日は17番取って2勝でしたが、2日目は18番取って6勝しました。横綱相手でも勝ってやろうという気概があり地力急上昇。九州場所でも秋場所以上の活躍が期待されます。
また、秋場所大活躍だった21歳の阿武咲が新小結に昇進しました。九州場所は上位が戻ってくる中での総当たりとなります。阿武咲に食われた横綱が脱落していくような、優勝争いのカギを握る男になりそうです。
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