インターハイ競泳(熊本市・アクアドームくまもと)は20日に大会最終日を迎え、男女の個人2種目と400mメドレーリレーが行なわれた。学校対抗では、男子は東京・日大豊山、女子が神奈川・日大藤沢がそれぞれ総合優勝を果たした。日大豊山は3年連続10回目、日大藤沢は2連覇となった。
写真/男子400m個人メドレーを制した小方(撮影◎湯浅芳昭/スイミング・マガジン)
最初の決勝種目となった女子100m自由形では大内紗雪(神奈川・日大藤沢3年)が連覇。スタートから隣のレーンの田嶋玲奈(埼玉・春日部共栄3年)と競り合う展開となったが、大内がラスト勝負で強さを見せ、0秒05差で勝負をものにした。大内はこのあと400mメドレーリレーに出場してチームの優勝に貢献。大会4日間を通じて、個人2種目とリレー3種目すべてで優勝する5冠を達成した。
男子100m自由形は田中大寛(大分・別府翔青3年)が49秒83の大会新で堂々の優勝を果たした。個人種目の大会新は今大会初めてで会場からは大きな拍手が贈られたが、田中が狙っていたのは48秒台での高校記録更新。「正直、悔しいです。後半が思ったほど伸びなかったです。国体でもう一度狙います」と顔をしかめながら振り返り、9月の再挑戦を誓った。
個人最終種目となった男女400m個人メドレーで表彰台の真ん中に上がったのは、男子は小方颯(神奈川・日大1年)、女子は谷川亜華葉(大阪・四條畷学園1年)。ともに初日の200m個人メドレーとの2冠を達成した。
小方は、スタートから勢いよく前へ出て100mを58秒00の1位でターン。その後も2番手以下をどんどん引き離す圧巻のレースを見せた。フィニッシュタイムは自己ベストを2秒15も更新する4分17秒74。「4分16秒台を狙っていたので少し悔しいですが、(日本水泳連盟が定める)ジュニアエリートAを突破できたのはうれしい」と笑顔がこぼれた。
女子優勝の谷川は4分41秒13の自己ベストをたたき出し、こちらもジュニアエリートAを突破。狙っていたインターナショナル標準Cには届かず少し悔しそうではあったが、「バタフライから速く入って背泳ぎと平泳ぎで(体力が)もったので自信になりました」と納得の表情。今年は4月の日本選手権から自己ベストを更新し続け、成長を加速させている。「ここまできたら狙えるものは狙っていきたい。東京五輪代表も目指しています」。たくましく宣言した。
このように今年のインターハイも熱戦に次ぐ熱戦でおおいに盛り上がった。記録面では高校新ゼロ、大会新が2個(個人1、リレー1)と寂しい結果となったが、22日から始まる全国JO杯夏季、そして9月の国体での好記録に期待しよう。
文◎佐藤温夏(ライター/スイミング・マガジン)
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