19日、大会3日目を迎えたインターハイの競泳(熊本市・アクアドームくまもと)は、男子1500m自由形、女子800m自由形決勝とそのほかの男女個人3種目と800mフリーリレーの予選・決勝が行なわれ、男子100m平泳ぎで山尾隼人(神奈川・桐光学園3年)が1分1秒03の自己ベストで初優勝を飾った。
写真/男子100m平泳ぎを制しガッツポーズをする山尾(撮影◎湯浅芳昭/スイミング・マガジン)
山尾は予選を「気持ち良く泳いで」4位通過して決勝へ。決勝ではスピードを生かして序盤から積極的に飛ばして、50mを28秒59のトップでターン。ラストは200m平泳ぎで優勝し、この種目連覇を狙う谷口卓(東京・日大豊山3年)との競り合いとなったが、山尾がわずか0秒17差で接戦をものにした。「200mで負けたので谷口くんにリベンジしたかった」と山尾。「今年は世界ジュニア選手権代表を狙っていたのでインターハイに出ることは考えていなかったんですが、代表に入れなかったので、気持ちを切り替えて練習してきました。それで目標を達成できてうれしいです」。高校最後の夏を最高の結果で締めくくった。
男女の長距離種目は、男子1500m自由形は井本一輝(大阪・四條畷学園3年)が、女子800m自由形は中村葵(大阪・近畿大附3年)がそれぞれ優勝した。男子1500mは、序盤から金星洋将(大阪・桃山学院2年)が積極的な泳ぎでレースをリードしたが、1100mを過ぎたあたりから、井本と久保田一矢(兵庫・須磨学園2年)がじわじわ加速。三つ巴での勝負となったが、井本が徐々に前へ出て差を広げ、15分25秒52で逃げ切った。井本は「15分10秒台は出したかったのですが、勝ちにこだわってけん制し合ってしまいました。でも優勝できたことはうれしいです」とレースを振り返った。
中村は8分37秒85の自己ベストタイで優勝。目標としていた日本水泳連盟制定のジュニアエリートA突破はならず。「500から600mがキツくなるのでそこを頑張ったんですけどダメでした」と振り返ったが、初日の400m自由形との2冠を達成したことについては笑顔。「すごくうれしくて、これからの自信になります」。この日は800mフリーリレーに予選から出場。1日で1200mを泳ぐ大活躍だった。
男女200m背泳ぎは埼玉県勢が勝利。男子は松山陸(春日部共栄3年)、女子は酒井夏海(武南3年)が前日の100m背泳ぎに続いて優勝した。松山は全国大会初優勝。「ずっと2位とかばかりでした。人生で初めて全国大会で優勝できてホントにうれしいです」と語り、ほっとした表情を浮かべていた。
そして、会場のボルテージが最高潮に達したのは最終種目の800mフリーリレー。男子が東京・日大豊山、女子は神奈川・日大藤沢が優勝を飾った。日大豊山は3連覇、日大藤沢が2連覇。両チームともに選手層の厚さを見せつけ、激戦を制した。
大会3日目の今日の熊本市は朝から雨模様となり、蒸し暑さはあったものの最高気温は29度と、比較的過ごしやすい1日となった。大会最終日の明日も好レースに期待!
文◎佐藤温夏(ライター/スイミング・マガジン)
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