※写真上=大舞台でステップアップした酒井
写真◎小山真司/スイミング・マガジン10月号P13より
池江璃花子の飛躍に目がいきがちだが、この高校2年生の成長も特筆すべきものだった。
女子背泳ぎの酒井夏海(スウィン南越谷/武南高2年)は4月の日本選手権で2個の高校新をたたき出すと、8月のパンパシフィック選手権(パンパック)、アジア大会の2大会では100mで計3回、200mで計2回の自己ベスト更新した。
記録を更新したことはもちろん、国際舞台での経験を得たことも大きな収穫だった。パンパックは100mの世界記録保持者のキャスリーン・ベイカー(米国)らの米国、豪州、カナダの世界大会ファイナリストの強さを肌で感じながら自身の記録を追求し、アジア大会では50m銅、200m銀、そして100mでは金と全距離に置いてメダルを手にしている。
■日本選手権
50m背泳ぎ[1位]27.82☆高校新
100m背泳ぎ[2位]59.83
200m背泳ぎ[1位]2.08.28☆高校新
■パンパシフィック選手権
100m背泳ぎ[6位]59.33☆高校新
*400mメドレーリレー第一泳者で59.20の高校新
200m背泳ぎ[7位]2.08.18☆高校新
■アジア大会
50m背泳ぎ[3位]27.91
100m背泳ぎ[1位]59.27
200m背泳ぎ[2位]2.08.13☆高校新
酒井は2年前、中3のときにリオ五輪出場を果たしているが、翌2017年は冬場のケガの影響もあり4月の日本選手権では、2年連続の代表入りを果たせなかった。しかしその後、再び上昇気流に乗り8月の世界ジュニア選手権では50、100、200mですべて自己ベストを更新し、2つのメダルを獲得。1年前の冬場のトレーニングは苦手としていた瞬発系の練習にも積極的に取り組み、2018年の飛躍へとつなげてきた。
ロンドン五輪100m背泳ぎ銅メダリストの寺川綾が引退して以降、世界で戦うレベルから遠ざかっていた女子背泳ぎにおいて、久しぶりに頭角を現してきた逸材。充実の2018年を糧にどこまで上っていくのか。2019年の戦いぶりにも注目である。
文◎牧野 豊(スイミング・マガジン)
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