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2018-11-17

【競泳】同級・池江に負けじと、吉田が男子200自で7年ぶりの高校新!

※写真上=大ベストを連発して200m自由形の高校記録を塗り替えた吉田。この日だけで自己ベストを1秒73も更新した
写真◎小山真司/スイミング・マガジン

 11月17日、東京辰巳国際水泳場にてKOSUKE KITAJIMA CUP 2019初日が行なわれ、男子200m自由形で吉田啓祐(日大豊山高3年)が躍動。10月のユース五輪(アルゼンチン・ブエノスアイレス)でマークした自己ベスト(1分48秒75)を予選からいきなり1秒17更新する「大ベスト」を出すと、決勝ではさらに記録を伸ばし、2011年に小堀勇氣(現・ミズノ)が樹立した高校記録を0秒35更新する1分47秒02をマーク。この記録は来年度の世界選手権の800mフリーリレー(一人平均)派遣記録(1分47秒08)を上回るハイレベルなもので、来年の代表入りへ、強烈にその存在をアピールした。

 ラップは以下の通り(カッコ内は50m単位のラップ)。

24.82 52.00(27.18) 1.20.08(28.08) 1.47.02(26.94)

 2018年の日本選手権では400m自由形で3位、200m自由形で5位と、それぞれ自己ベストを更新してトップ戦線に浮上し、ユース五輪代表にもなった吉田だが、夏のインターハイは優勝こそ果たしたものの、記録面は納得いくものではなかった。さらに9月の国体400m自由形ではまさかの予選落ち。その結果から自分を見直した吉田は練習に対する気持ちを入れ替え、竹村知洋先生が課した質・量ともにきついメニューをこなし、調子を上げてきた。

 そして迎えた10月のユース五輪(アルゼンチン・ブエノスアイレス)では、400m自由形(銅メダル)、200m自由形(5位)で自己ベスト、さらに800m自由形(銀メダル)で高校新を樹立する活躍、そしてこの日の200mと、夏の悔しさを晴らすのに十二分のパフォーマンスとなった。

「ユース五輪が終わった段階では、自分は400、800mに向いていると感じていました。でも、日本代表に入ろうとするなら、(800mフリー)リレーメンバーになるには(来年の4月には)200mで1分47秒台前半を出さなければと思っていました。それがこの大会で1分47秒0まできたので、400・800m中心にしつつも200mも頑張っていこうと思います」

 日本代表クラスでは、大橋悠依(イトマン東進)が4分32秒60とハイレベルな大会新記録をたたき出した。夏のふたつの国際大会(パンパシフィック選手権とアジア大会)よりも速いタイムというだけでなく、「取り組んでいる脚力強化の成果が出ていると実感。特に内転筋を使えるようになったことで平泳ぎは良い泳ぎになっていると思います。この時期に4分32秒台は自信になります」と、手応え十分の様子だった。

前週のワールドカップに続き、好調ぶりをアピールした大橋
写真◎小山真司/スイミング・マガジン

 また、中村克(イトマン東進)も男子50m自由形を大会新となる22秒05で優勝。「いつも固くなって力が入っていた部分がなかった。余計な力が入らないよう取り組んできた成果が出ました」。

50m自由形を大会新で制した中村(中)
写真◎小山真司/スイミング・マガジン

 池江璃花子(ルネサンス/淑徳巣鴨高3年)は、海外短期合宿から帰国して以降は大会出場が毎週続いており、万全でない状態の中、100mバタフライを57秒06で優勝。「57秒台が出ればと思っていたので、自分が思っていたよりも速いタイムが出た」と振り返る一方、その後は珍しく800m自由形にも出場したが、さすがに心身ともにもたず、「最初の100mで(気持ちが)切れてしまった」ため、10位に終わった。

文◎牧野 豊/スイミング・マガジン

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