8月16日、宇部鴻城(山口)戦では延長戦をサヨナラで制し、センバツと並ぶベスト8進出を果たした明石商(兵庫)。そのセンバツ出場に貢献した投手が、ベンチで登板機会を待っている。
※上写真=ケガを乗り越え登板の機会を待つ明石商の背番号12・宮口
写真◎宮原和也
選手権兵庫大会のメンバー表から、センバツ出場の立役者となった右腕の名前が消えていた。
昨秋の近畿大会で好投した宮口大輝が1月に右手中指を故障。スライダーを投げる際に圧がかかって靭帯を痛めてしまった。
本来は制球力に優れ、シュート気味の軌道を描くストレートはとらえづらい。球種もスライダー、チェンジアップ、フォークと真逆に曲がる球があり、簡単には的を絞らせないのだが、「ケガをしているときは投げていても調子上がってこなくて、すぐに交代を告げられたりしました。秋は調子が良かったのになんでそういうピッチングできないんだろうという申し訳なさとか、センバツでも中森(俊介)1人に投げさせた申し訳なさもあって、つらいい時期はありました」。
兵庫大会の期間中、試合ではスタンドから声援を送り、練習ではバッテイングキャッチャーやマシンの球入れなどをこなした。正捕手を務める水上桂が「もし自分がその立場だったらくさったりしていたと思うんですけど、宮口はすぐ切り替えてサポートにまわってすごいなと思いました」と話すほど裏方に徹した。
そんな宮口にチャンスが訪れたのはチームが兵庫優勝を決めた翌日。
全体練習はオフだったが藤井晃真コーチから電話があり、グラウンドに来るよう言われた。電話がかかってきたのは決勝戦終了から約4時間後、下宿生の宮口はチームメートたちと祝勝会の真っ最中で寿司などいつもより豪華な食事を楽しんでいた。
着信があったときは「何か悪いことしたかな」と一瞬緊張したが、思いがけない機会を知らされると、すぐに杉戸理斗と室内練習場に向かいキャッチボールをして大事なマウンドに備えた。
8時には投げられる準備をしておくように、そう言われた宮口は7時過ぎから体を動かしていた。
ブルペン投球を披露するつもりでグラウンドに向かったが、テスト内容は副キャプテン・宮下匡雅との10打席勝負だった。
宮下もセンバツではベンチに入っていたが夏はメンバーから外れ、ノックの補助などサポートにまわっていた。しばらく打席でボールを見ていなかった宮下は突然の電話にバッティングセンターに急行したという。
翌朝、久しぶりに生きた球と対峙した宮下は、宮口の投球に「めちゃくちゃ速かったです」と最初は連続三振を喫したが目が、慣れた後半は芯でとらえた。
10打席勝負の結果は安打3、三振3、四球2、凡打2。その投球内容と打撃内容が認められ、甲子園では宮口が背番号12、宮下が背番号16でベンチ入りを果たした。
宮口は現在の状態について、「変化球もまとまり出してきているので良い状態です。久しぶりに甲子園のブルペンで投げて、あらためて投げていたときは幸せだったと感じて、マウンドで投げたいなと思いました」。
苦しい時期を乗り越え、最後の夏に集大成のマウンドを待つ。
文◎小中翔太(スポーツライター)
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