新型コロナウイルスの影響で約3カ月遅れて開幕した今シーズン。京都選手権(7月11、12日)は「新しいスタートです」という宣言の下、開催された。そこには今年中止となったインターハイで男子総合9度目の制覇が懸かっていた洛南高の選手たちの姿もあった。彼らがどのような思いで大会に臨み、どのような記録と課題を残したのか。“現在地”に注目してみた。
京都選手権で走幅跳と110mHで二冠の藤原(左)と400mで2位の木下(右)
撮影◎椛本結城(陸上競技マガジン)
昨年のインターハイで男子走幅跳を8m12の高校新で制した藤原孝輝(3年)は走幅跳7m49、110mH14秒17で二冠。「一本一本、質の高さを意識しました。4×100mRのメンバーになったことで、基礎的なスプリント力が向上したと感じることができました」と感触を口にした。
そのスピードを跳躍に生かすために走幅跳では今季、助走距離を伸ばしている。「補助走抜きで20歩です。昨年は18歩、インターハイでは16歩でした。今回それを初めて大会でやりましたが、うまくいきませんでした」と藤原。踏切板の手前で踏み切ってしまうシーンもしばしば。模索しながら、“はまった跳躍”の再現性を高めていくことになる。
藤原と同じく昨年インターハイを制した400mの木下祐一(3年)は、春先に右太ももを痛めた影響で走練習が十分でなく、大学生の後塵を拝して2位。何とか47秒台(47秒92)で踏ん張ったが、本人はもちろん悔しい表情をつくった。
ただ、「前半からスピードを上げることを意識していたので、ラストはばてると思っていました。足りないところが露骨に表れたことは収穫です」と、現状をチェックできた点はプラスにとらえた。4×400mRの予選・決勝でも、体にスピードの刺激を入れることができた。
インターハイが中止になり、藤原も木下も連覇に挑戦するチャンスはなくなったが、木下が「先の競技人生のために、力をつけるシーズンにしたい」と言えば、藤原も「次につなげる一年にしなければならないという思いが強いです」と上を向いている。
800mに出場した櫻井(左)と5000mに出場した溜池(右)が自己ベストを更新した
撮影◎椛本結城(陸上競技マガジン)
このほかの主な成績は下記の通り。
4×100mRは予選で40秒84をマーク。昨年の全日中400m優勝の山﨑琉惟(1年)が1走で好走した4×400mRは3分15秒96で優勝した。
走幅跳7m33、三段跳14m90といずれも自己新で2位だったのは、イベル・ブラントン(3年)。助走が力強く、伸びしろを感じさせた。
5000mは上位6位を独占。若林宏樹(3年)が14分07秒07で優勝し、2年生の佐藤圭汰と溜池一太が2、3位。溜池は自己記録を30秒以上更新したという。
800mは前田陽向(2年)が1分54秒11で勝ち、3位の櫻井一夏(1年)は予選で1分55秒51の自己新をマークした。
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